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原発再稼働を想定、大手電力会社が拒否する「自然エネルギー受け入れ」

1/12(金) 8:50配信

HARBOR BUSINESS Online

 小泉純一郎元首相が最高顧問をつとめ、吉原毅・城南信用金庫相談役が会長をつとめる「原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟」が昨年12月26日、原発推進の経団連の電気事業連合会と経済産業省に自然エネルギー拡大の阻害要因となっている送電線問題について申し入れをした。

「送電線を持つ大手電力会社が、未稼働の原発や火力発電所の枠をあらかじめ設定することで、自然エネルギー発電事業者の送電線利用を拒否している」として、経産省資源エネルギー庁の担当者と面談、改善を求めたのだ。

◆原発再稼働を想定、送電線に空きがありながら自然エネルギーを拒否

 発電所と消費地を結ぶ送電線には、原発や火力や自然エネルギーなど多種多様の電気が流れているが、福島原発事故以降は大半の原発が稼動停止している。それにもかかわらず、大手電力会社は今後の原発再稼働を前提に送電線の枠を確保、送電線容量に8~9割も空きがありながら自然エネルギーの受け入れ要請を断っているというのだ。

 対応した資源エネルギー庁の担当者からは前向きな回答が返ってきた。

「全国の自然エネルギーの事業者から悲鳴にも似た苦情が寄せられている」(河合弘之弁護士)や、「大手電力は率直に空きがある事実を認め、自然エネルギーを受け入れるべきだ」(吉原氏)といった発言に耳を傾けた後、改善に向けて動くことを約束した。

「送電線を最大限に活用するための運用の改善を経産省の委員会で議論を始めている。可能なところから順次実行に移すことをしながら、解決に向けて全力を尽くしていきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いします」(吉原氏)

◆石破茂・元防衛大臣も含めた超党派的な連携に期待

 申入れでは、ポスト安倍首相を睨む石破茂氏の名前が吉原氏から出る場面もあった。石破氏は防衛大臣のほか地方創生大臣の経験もあり、地方経済と農業の再生に高い関心を持っている。

「日本の農地の1割を『ソーラーシェアリング』(農地にソーラーパネルを設置して売電収入と作物収入を得る)をするだけで、日本の電力需要は全部まかなえます。(現在日本が発電のために輸入している)25兆円の化石燃料代は、日本の農家のほうに戻ってきます。これには石破茂先生もたいへん関心を示し、『地方再生の切り札はソーラーシェアリングにある。資料がほしい』とおっしゃっていました。原発を止めて自然エネルギーを拡大すれば、日本の経済は発展し、安全保障の上でもプラスになるのです」(同)

 元防衛大臣の石破氏は、「原発を警察官と民間警備会社が守っている国は日本ぐらい」と原発テロ対策の不十分さも問題視している。このことについて吉原氏に聞くと、原発ゼロが日本の安全保障上にもプラスであることを再び強調した。

「河合弁護士が原発差し止め訴訟(仮処分)で『北朝鮮が日本を攻撃するとしたら原発を狙う』と指摘しています。日本の安全保障にとっては、原発をゼロにして太陽光や風力に替えたほうがプラスなわけです。そう考えると、自民党こそ『原発を止めよう』と真っ先に言わなければいけない。そして全政党が『自然エネルギーに転換すれば、国も安全、経済も大発展、国民も喜ぶ』と訴えてほしいと思います」(同)

 吉原氏は、石破氏に期待しながら超党派的な連携も呼びかけた。果たして、原発再稼働邁進の安倍政権にかわる原発ゼロ政権は誕生するか。秋の総裁選での石破氏の動向、あるいは次期総選挙での脱原発派の動向が注目される。

【取材・文・撮影/横田一】

ジャーナリスト。小泉純一郎元首相の「原発ゼロ」に関する発言をまとめた『黙って寝てはいられない』(小泉純一郎/談、吉原毅/編)に編集協力。その他『検証・小池都政』(緑風出版)など著書多数

ハーバー・ビジネス・オンライン

最終更新:1/12(金) 13:54
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