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ストライキが単に「迷惑」と言い切れない理由

1/12(金) 9:00配信

東洋経済オンライン

 長崎県長崎市に本社を置き、フェリーや高速船を運航する海運会社の九州商船で昨年末、労働争議が繰り広げられた。12月25日朝から、長崎市や佐世保市と五島列島を結ぶ旅客船の全便が船員のストライキのために一時運休。同25日午後にストライキは解除され、同26日から通常通りの運航を再開したと複数のメディアが報じている。

 ストライキを実施したのは九州商船の船員からなる労働組合(全日本海員組合)。離島の重要な交通手段がストライキによって運航停止となれば、関係者の生活には多大な影響が出る。「公共交通機関に所属する労働者がストライキをして利用者に迷惑を掛けるのはけしからん」といった意見も少なくなかったようだ。

■労働者に認められた権利であり尊重しなければいけない

 一方で、ストライキは労働者に認められた権利であり尊重しなければいけないという専門家らのコメントも多数ネット上では現れている。

 ストライキとは、同盟罷業(どうめいひぎょう)とも呼ばれ、一定数の労働者が集団で同時に一定期間業務を停止し、使用者の経営に打撃を与える争議手段である。

 ヨーロッパ諸国等では、ストライキで飛行機や電車などの公共交通機関が運休になるようなニュースをよくみかける。厚生労働省によればストや事業所閉鎖などの「争議行為を伴う争議」は2015年で86件。総参加人数は7万6065人。全国の企業数や労働者数から考えるとわずかな規模かもしれないが、日本でもしばしばストライキは行われている。

 一般的には、労働組合と使用者との団体交渉が決裂した場合に労働組合側が要求を実現するためにストライキを行い、それによって使用者側の譲歩を引き出す形で行われる。

 多くの場合は、ストライキの実施を事前に通告しながらぎりぎりまで交渉を行い妥結に至り、結果的にストライキが回避されることも多いが、今回の九州商船のケースのようにストライキが実際に敢行されることもある。

 ストライキが実際に実施されると会社の営業はストップしてしまいたとえ短期間であっても企業経営にとっては相当な打撃を与えることが可能となる。

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