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中国で盛り上がる"文化消費"に拡大期待! 

1/15(月) 14:01配信

会社四季報オンライン

 小学校に入学したての頃(ウン十年前)、どうしてもピアノを習いたくて母親に頼み込んだことがあります。その頃、女の子の習い事といえばピアノ!  周りでもピアノを習っているお友だちが多く、自宅にピアノがある事が子どもの中でもひとつのステイタスだったように思います。

 なんとか母親を丸め込み、わが家にピアノが運ばれてきたときのあの感動。リビングルームにおごそかに鎮座するピカピカのピアノは、わたしを夢中にさせました。それから10年間、ピアノを習い続けました。そういえばあの頃、道を歩いているとピアノを練習する音がどこからともなく聞こえてきたものです。

 じつは、そんな光景が今の中国で広がりつつあります。

 年明け早々の1月9日。野村證券が、河合楽器製作所(7952)を目標株価4700円でカバー開始と発表しました。その理由は、衣食住が満たされた中国が次に向かうのは教育や娯楽の”文化消費”で、まさに中国での展開を加速している河合楽器製作所の業績が向上するだろうとのこと。その発表を受けて、株価はマドを空けて急騰を開始しました。

 昨年11月24日に発表された2018年3月期 第2四半期の決算説明会資料によると、さらなる拡大成長の基盤として中国戦略を上げており、「調律」「音楽教室」「販売」の3つの事業を中国企業と提携し強化していく旨が記載されています。さらに「調律」については、調律技術者の育成・資格認定の運営までも開始。たしかに、ピアノは売って終わりではありません。定期的に調律が必要です。わが家にも1年に1度、調律師の人が点検に来ておりました。鍵盤をたたいて真剣に耳を傾ける調律師さんの職人っぷりに子どもながらに憧れたものです。

 実際、河合楽器製作所の中国での売上は、直近の第2四半期の数字で、売上35.6億円から41億円へと増加。地域別売上1位で、じつは日本の売上27.6億円を上回っています。

 先日、KAWAI表参道をリサーチがてら訪れてみました。ゆったりとした店内に、さまざまなピアノが陳列されています。何年かぶりに弾いてみたい気もしましたが、おそらく指がもつれてろくな演奏ができないことが容易に想像できましたので、遠巻きに見ているだけです。ピアノの写真を撮らせてもらおうと店員さんに声をかけたら、ご丁寧に記念モデルのパンフレットをくださいました。心の中でお客じゃなくてすみませんと謝りながら「最近、中国でピアノが売れてるって聞いたんですけど、本当ですか?」と探りを入れてみました。

 「まさに今、中国では、日本の昭和40年代に起こったようなピアノブームが来てます!  ピアノ不足で、中古でもいいから買いたい! といった状態です」

 きたきた!  現場の声です!  

 中国でもピアノメーカーはありますが、質において断然優れているジャパンメイドが求められるそうです。当然、日本から搬送して、さらに関税がかけられるので日本の販売価格より高くなりますが、それでも貪欲な需要に追いつかないとか。

 とはいえ、少子化で低迷する国内を放置しているわけではありません。学研との協業で、音楽と算数・国語が同じ場所で学べる教室を展開。2017年3月時点で約100カ所の教室を、2021年には500カ所まで増やす計画です。ちなみに、野村證券は、河合楽器製作所のカバー開始発表と同日に、学研ホールディングス(9470)の新規カバー開始も発表しています。目標株価は5700円ですが、学研はここのところ上昇が続いており、12日終値ですでに5750円をつけておりますので割安感は乏しく感じます。一方の河合楽器製作所はまさに今からといったところ。

 週足チャートを見ると、2500円近辺での長いもみ合いから出来高を伴って上放れしています。ここから本格的な上昇トレンド入りを期待したいですね。

 しかし、美しいピアノを見ていたら欲しくなりました。創立90周年の記念モデル。130台限定で在庫わずかなんですって。「お早目にどうぞ」とおすすめされました。66万円(税抜)。うーん。

 藤川里絵(ふじかわ・りえ)/2010年より株式投資を始め、5年で自己資金を10倍に増やす。ファイナンシャル教育機関「ファイナンシャルアカデミー」にて、「お金の教養スクール」など、多数の講座を担当。著書に『数字オンチのわたしが5年で資産を10倍にした方法』(扶桑社刊)など。

※当記事は、証券投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。

藤川 里絵

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