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トロロッソ・ホンダの勝算は?「純粋なレース屋」との相性を考える

1/18(木) 7:50配信

webスポルティーバ

2018年シーズン10大注目ポイント@中編

(4)トロロッソ・ホンダに勝機はあるのか?

 マクラーレンと決別したホンダは心機一転、トロロッソとのタッグによってF1活動の再スタートを切る。しかし、その道筋は決して平坦なものではないだろう。

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 ちまたでは「トロロッソはしょせんミナルディ。期待はできない」と見る向きもあるが、これは正しいとは言えない。

 万年下位だった弱小チームのミナルディが2006年にレッドブルに買収されて誕生したトロロッソは、今もイタリアのファエンツァに本拠地を置いているとはいえ、ファクトリーは完全に刷新されてミナルディ時代とは比べものにならないほど近代化され拡張されている。空力部門はイギリスのビスターにあり、同じイギリスのミルトンキーンズにあるレッドブルテクノロジーズからの技術供与も受けている。

 テクニカルディレクターを務めるのはジェームス・キーで、小林可夢偉時代のザウバーで低予算ながら高性能なマシンを生み出し、開発能力には定評のある人物だ。トロロッソでも予算の制約のためシーズン後半戦には開発が続けられず苦戦を強いられているが、シーズン開幕当初は毎年のように中団グループのトップを争う位置につけていることからも、彼の生み出すマシンの基本性能が高いことはわかる(2017年開幕戦も予選・決勝ともに8位・9位)。

 チーム代表のフランツ・トストはオーストリア人で、無駄が嫌いな質実剛健の純粋なレース屋だ。1990年代には当時のフォーミュラ・ニッポンに参戦するラルフ・シューマッハのマネージャーとして日本で1年間過ごしたことがあり、日本人のメンタリティもよく理解している。

 チームスタッフは今もイタリア人が多いとはいえ、顔ぶれは多国籍化しており、今のトロロッソはかつてのミナルディとはまったく別のチームだ。「ミナルディのシェフが作るパスタがF1パドックで一番美味い」などと言われたものだが、今はトロロッソの食事もレッドブルのオーストリア人ホスピタリティクルーが作っているので、そんなことを言う人がいればモグリだと思ったほうがいい。

 ただ、ミナルディと別モノとはいっても、チームとして上位で戦った経験が不足していることもまた事実だ。トロロッソとしての最上位、そして表彰台獲得は2008年イタリアGPのセバスチャン・ベッテルによる優勝のみ。レース運営やレース戦略などのミスで、マシンパッケージの実力をフルに発揮しきれない弱さも多々ある。

 ドライバーの布陣にしても、トロロッソはレッドブルのジュニアチームであり、その育成プログラム所属の若手が起用されるため、どうしても不完全なものにならざるを得ない。

 また予算面でも、2018年はレッドブル本体からの供出が減ると言われており、財政は厳しくなりつつある。ホンダはレッドブル側から資金提供の依頼を受けてはいないが、パートナーとしてともに上位を目指すために、資金面でも何らかのバックアップを行なうことに前向きなようだ。その規模によってはジェームス・キー率いる開発陣の能力をフルに発揮することもできるだけに、それがトロロッソの成績を大きく左右することになるかもしれない。

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