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日本サッカーは「時代の波に乗り遅れている」 米国初の“日系資本クラブ”が抱く危機感

1/18(木) 21:12配信

Football ZONE web

【サンディエゴ・ゼストFCの挑戦|後編】山内社長が語るアメリカ4部参戦で気づいたこと

 アメリカ4部、プレミア・ディベロップメント・リーグ(USL PDL)に日系資本のクラブとして初めて参戦しているサンディエゴ・ゼストFC(以下、ゼスト)。クラブを運営する「株式会社Y.E.S. ESL International, Inc」の代表取締役社長、山内周司氏はアメリカサッカーが「30年後に世界のサッカー界のイニシアチブを握っている」と確信を抱いている。

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 しかし、日系企業として初めてアメリカサッカーに参入したからこそ気づいたことがあるという。それは、日本サッカーが大きな波に乗り遅れてしまっているかもしれない、ということだ。

 山内氏は「もうヨーロッパの若者たちはアメリカを見ているが、日本はまだそうではない」と話した。「その点、韓国は進んでいるんです。12月に福岡で行った米国プロリーグ合同セレクション(※)に来たのも、半分くらいは韓国人です。日本の企業が福岡で開催しているにもかかわらず、日本人と同数くらいの韓国人がセレクションを受けに来ます。韓国の方がアメリカに対しての認識度が高いと思います」。同じアジアの韓国との間にも、大きな認識の差が生じ始めているという。

 最初に危機感を覚えたのは、山内氏がアメリカで教育事業に携わり始めた頃だった。

「私がマーセッド大学の語学学校経営を始めた頃、日本人はとにかく内向きで草食系だと感じました。国内が豊かで何も困ることがなく、スマートフォン一つあれば暮らしていける時代に、どうしてわざわざ海外に苦労しに行く必要があるのか。そういう流れが10年前から顕著になって、若者が海外へ出なくなりました。他国の留学生を見ていたからより強くそう感じた部分もあると思いますが、私たちはこうしたことがそのまま国力につながっていると考えています。とにかく日本人の若者を世界の大海原に出したいと思ったのです」

「サッカーといえば欧州」の時代ではない

 アメリカの大学にはスカラーシップ(奨学金)制度の下で、多くの外国人がやってくる。日本とは違い返済義務のない何千万円もの奨学金を受け取りながら学校に通い、スポーツに打ち込む環境をサポートする土壌が整っている。

「フランスやドイツの子どもたちも、自国の4部や5部リーグでプレーするのではなく、アメリカに来れば有名な大学で勉強できて、なおかつサッカーのプロを目指す方法がある。自分の将来を考えた時に、アメリカに来ることは大きな可能性がある選択肢なんです」

 山内氏はこうした“将来設計”という意識が、日本人には欠けていると指摘している。

「日本人は自分の将来設計という視点で物事を考えないから、サッカーといえばみんなヨーロッパとなってしまう。でもアメリカにおけるサッカー産業の強さというのは、サッカー選手としてだけではなくて、マネジメント、ビジネスとか実業の世界も要素も兼ね備えて学ぶことが可能なのです。だからこそ、私たちもアメリカは強いと思って参入に踏み切ったんです」

 まさに“文武両道”で、優秀な人材を育てていく土壌ができ上がっている。

 プロスポーツ選手を目指すと同時に、プロになれなかった時の選択肢やセカンドキャリアのことにまで視野を向けるということが日本ではまだ根付いていない。

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最終更新:1/18(木) 22:44
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