ここから本文です

大河ドラマの異変「西郷どん」大胆脚色 納得の理由

1/18(木) 6:00配信

日経ウーマンオンライン(日経ウーマン)

 遅ればせながら、平成30年明けましておめでとうございます。平成に切り替わった頃を記憶している昭和生まれの人なら、ほぼみんな「平成も30年かぁ……」と感慨深く思ったはず。その平成の世も来年の4月末で終了し、年号が変わることが決まりました。いよいよ平成生まれも「最先端」ではなくなり、新世代に後ろから追われる身になるのですね……ふっふっふ。

【関連画像】新しい視点で描かれた「西郷どん」 これからの展開も楽しみ 画像/NHK提供

 さて、世間の松も取れた頃、私はお正月休みのごちそうに疲れた胃を抱えながら、今年の大河ドラマ「西郷どん」第1回を見て大好きな鈴木亮平さんをめでようと、NHK総合テレビにチャンネルを変えました。実は我が家、幕末好きの息子が島津斉彬びいきで、夫は西郷隆盛びいき。家の書棚には既に林真理子さんの原作「西郷どん!」も上中下巻そろっており、彼らの話題に遅れないためにも、見ないわけにはいかないのです。

 西郷隆盛といえば、あの上野にある大きな西郷像のイメージ。短髪で太く立派な眉にぐりっと大きな目を持ち、浴衣の帯の上におなかの肉が乗るほどかっぷくの良い男性が、薩摩犬を連れて散歩している。現代の多くの女子が一目で憧れてしまうような風貌では決して……ありません。

 精悍(せいかん)だけれどどこか泥臭くもあり、「九州男児」のイメージをそのまま具現化しているような西郷像ですが、実はあの像や私たちが歴史の教科書で知っている西郷隆盛の写真は、本人ではなく弟やいとこの風貌をもとにしていると言われ始めたのは、ここ最近のことです。本物は男性からも女性からも「人モテ」する、傑出した魅力と才能を持った人物だったのだとか。

今、国民的エンタメの大河ドラマに異変が起きている

 「私たちが信じてきた西郷隆盛は、本当の西郷隆盛ではない」。まずその前提から滑り出したドラマ「西郷どん」。ですが、「白蓮れんれん」「不機嫌な果実」「下流の宴」「美女入門」の林真理子さん原作、「Age,35 恋しくて」「やまとなでしこ」「ハケンの品格」「花子とアン」の中園ミホさん脚本で世に送り出されたこのドラマは、世間をざわつかせる、特別な新解釈を見せてくれました。

 それは、あの時代の薩摩のエリートなら当然の男尊女卑思想を正面から否定する、西郷隆盛の「女装」や「同性愛」です。

 そもそも原作である「西郷どん!」は、細かな史実の正誤が大好きな歴史オタクの(失礼)男性小説家によるゴリゴリの歴史大長編などではありません。日本で最も女性に対して鋭い観察眼を持つエッセイスト出身の多才な女性作家、林真理子さんによるものです。

●大河ドラマ「西郷どん」で、女性目線の史実再話が行われる

 さだまさしさんの「関白宣言」という70年代の歌がユーモア交じりに表しているような、現代ではもはや「マジウケるw」レベルの男尊女卑の代名詞ともいえる九州男児。その英雄である西郷隆盛の生涯を、林さんは女性目線で新解釈を加え、再話しています。特に林さんが焦点を当てて注力したと語っているのは、西郷の生涯3人の妻。九州男児として生真面目でさえあった若き日の西郷が、女性と交わる経験をする前に男性僧侶と関係を持っていたとの記述も、とても印象的です。

 幕末から明治にかけての「偉人」である西郷隆盛の社会的な出世譚(たん)だけでなく、その恋愛や結婚に焦点を当てて語るのは、女性作家ならではの「再話」。人はどういう恋愛や結婚をするか、どのような人とどのような関係を結んでいったかで、社会的な顔とは別の、生(なま)のその人自身が手に取るように見えるものです。

 その原作を踏まえた上で、今度はドラマを見てあっとびっくり。初回放送には、原作にはない中園ミホさんの大胆な脚色が加えられていました。

 西郷の3人目の妻・糸が、子ども時代の西郷とその仲間たちにこっそり混じっていたというシーン。女子であることが見つかると「女だって勉強や相撲をしたい!」と泣きながら去っていく。それに衝撃を受けた西郷が、女性の格好で世間を歩いてみて、「女は道の真ん中を歩いていたら殴られる」「洗濯物さえ、男と女は別に洗わねばならない」「女は、損だ」と知り、問題意識を持つようになるという流れ。

 「厳然たる封建社会だったあの時代の薩摩に、こんなことがあるわけないだろう」。これには、歴史に詳しい視聴者からはもちろん、そうでない視聴者からも賛否両論がありました。

1/2ページ

記事提供社からのご案内(外部サイト)

日経ウーマン

日経BP社

2018年3月号

価格:600円(税込)

1億円女子登場!月収10万円台でも貯まる
1000万円貯まる人の24時間
0円で冷えないカラダを手に入れる「温活」
【付録】お部屋をパワースポットにする簡単テク