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バルサを慌てさせるクラブはあるか? リーガに詳しすぎる3人が検証

1/20(土) 18:12配信

webスポルティーバ

蹴球最前線──ワールドフットボール観戦術── vol.7

 2017-2018シーズンも各地で最高峰の戦いが繰り広げられる欧州各国のサッカーリーグ。その世界トップの魅力、そして観戦術を目利きたちが語り合います。

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 試合実況で日本随一のキャリアを持つ倉敷保雄、サッカージャーナリスト、サッカー中継の解説者として長年フットボールシーンを追い続ける中山淳、スペインでの取材経験を活かし、現地情報、試合分析に定評のある小澤一郎──。

 今回のテーマは、リーガ・エスパニョーラ(ラ・リーガ)でバルセロナ(バルサ)、レアル・マドリード(マドリー)を追走するクラブについて。バルサが独走状態になりつつある今シーズン、ビッグクラブを脅(おびや)かすのは......?

* * *

――バルセロナが首位を独走している今季のラ・リーガですが、シーズン後半戦を展望するうえで、マドリーとバルサ以外にみなさんが注目しているのはどのチームですか?

小澤 ぜひ注目してほしいのはバレンシアですね。もともとこのクラブは、カウンターを武器とするサッカーで結果を残してきた歴史がありますが、今季はマルセリーノ・ガルシア・トラル監督を招聘したことで、そのスタイルが復活しました。マルセリーノは率いてきたクラブでずっと4-4-2を基本システムとして採用してきた監督で、まずはそのマッチングがあると思います。

 そもそも、なぜ4-4-2がカウンターに適しているのかといえば、ジローナのように3バックも徐々に出てきてはいますが、いぜん4バックを採用するチームが多いラ・リーガで、2トップにすることによって守から攻のトランジション局面で2トップにボールが入ったカウンター時に、相手の2枚のセンターバックに対して2対2の状況を作ることができる。そのため、そのままフィニッシュ局面を迎えることができる確率が高くなるわけです。

 今季の場合は、シモーネ・ザザとロドリゴが2トップを務めています。この2人の活躍は、今季のバレンシアでも特に光っていて、決定力はもちろん、ポストプレー、スピードを生かした裏への抜け出しなど、2人で多彩なアタックを仕掛けることができています。なおかつ、パリ・サンジェルマンからレンタルで加入したゴンサロ・ゲデスが予想以上にはまっています。

 スピードあるアタッカーのゲデスは左サイドで起用されていますが、マルセリーノ監督はゲデスにボールが入った時にスペースと時間が生まれるような「アイソレーション戦術」を組み込んでいます。得意のドリブル突破を仕掛けたり、カットインからのシュートを見せたりと、バレンシアのスタイルにフィットしている点も見逃せません。

中山 ゲデスは、パリがベンフィカ(ポルトガル)から昨季の冬に青田買いをした将来有望な選手ですね。彼の母国ポルトガルでは、“クリスティアーノ・ロナウド2世“と呼ばれていて、僕もパリに加入した当初から期待をして見ていました。ただ、パリではなかなか出番がなかったうえ、今季はネイマールも加入してしまった。そこでレンタル移籍となったわけですが、マルセリーノのサッカーにマッチしたこともあって、今季は彼のポテンシャルの高さを証明するプレーを見せている印象があります。

小澤 だからバレンシアニスタは、ネイマールに感謝していますよ(笑)。

 それと、本来はインテリオールで、タイプとしてはテクニシャンのカルロス・ソレールをあえて右サイドに配置して、右でタメが作れるようにしています。センターにはボールをさばくタイプのダニ・パレハと、フィジカル的な強さもあってフィルター役にもなれるジョフレイ・コンドグビアがいて、中盤のバランスが抜群です。そういうなかで、ラ・リーガで最もインテンシティが高く、スピード感があってカウンターも鋭い。見て楽しいサッカーをして、結果も残せているという点は評価に値すると思います。

倉敷 第14節でヘタフェに負けるまで、無敗を続けたのには驚きました。ただ、昨年12月には連敗を喫するなど、少し調子を落としている点が気になります。小澤さんはその原因はどんなところにあると見ていますか?

小澤 ゲデスなど主力にケガ人が出てしまったので、仕方ない部分はあると思います。それと、監督やフロントが「タイトル争いをするのは難しい」「目標はあくまでCL圏内(4位以内)」といった発言をして、自ら目標を下げてしまったので、そういう部分も影響していると思いますね。

 ただ、シーズン前半戦のバレンシアを見ていて感じたのは、ヨーロッパのコンペティションに出場していないこともあり、チームとしてコンディションがとてもよいということでした。昨季のプレミアリーグのチェルシーにもいえますが、1週間しっかり準備をして週末のリーグ戦に臨めば、あれだけ高いクオリティのサッカーを見せられる。今季のバレンシアを見ていると、過密日程が当たり前になりつつある現代のヨーロッパサッカー界に警鐘を鳴らしてくれていると感じますね。

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