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野村克也氏が初めて語る「男おひとりさま」正月と真実の愛

1/21(日) 16:00配信

NEWS ポストセブン

 球界きっての名捕手・名将が世間を敵に回してまで寄り添い続けた“個性的すぎる妻”は、夫より先にこの世を去った。野村克也氏(82)は40年ぶりに過ごす妻・沙知代さん(享年85)のいない日々に、何を感じているのか──。

◆「先に逝かれるとはね……」

「男は弱いものだと実感してるよ」

 取材会場となった都内のホテルのレストランに現われた野村克也氏は開口一番、こうボヤいた。妻との別れから1か月あまり。初めてロングインタビューに応じた野村氏の心には、大きな穴がポッカリと空いたままだ。

「いるとうるさいと思うけど、先に逝かれると寂しくて仕方ない。本当に男は勝手だよ。ああ見えて料理が上手で、正月はいつもおせちやお雑煮を作っていた。それが今年の年始は祝い事が一切なくて誰も来ないから、家でずっと一人でテレビを見ていた。あれほどお通夜みたいな正月は生まれて初めてだったよ」

 妻・沙知代さんが亡くなったのは昨年12月8日。死因は虚血性心不全だった。

「サッチー」の愛称で親しまれた沙知代さんは、1970年に南海ホークスの選手兼監督だった野村氏と知り合い、1978年に結婚。タレントとして歯に衣着せぬ発言で物議を醸し、浅香光代(89)との確執が「ミッチー・サッチー騒動」として世を賑わせた。

 毀誉褒貶が相半ばする女性という印象が強いが、野村氏にとっては頼れる女房だった。

「世間からは『悪妻』と言われたけど、いなくなってわかることも多い。去年あたりから2人で死について話すようになっていて、『俺より先に逝くなよ』と諭した時に何の返事もしなかった。普通なら『そうだといいね』とか返しそうなものなのに。彼女は俺より年齢が3つ上だから、『私のほうが先』と思っていたのかもしれない」

 この日、取材が行なわれたレストランは、野村氏が楽天の監督を退任した2010年以降、夫婦2人で毎日のように食事をしてきた思い出の場所だ。突然の別れが訪れたのも、いつもと同じこの席で食事を楽しんだ翌日の昼下がりだった。

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