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松井大輔がレシーバー目線で語る日本人“名パサー論” 「走ればボールが来る」至高の感覚とは?

1/21(日) 19:50配信

Football ZONE web

【松井大輔インタビュー|Part 3】日本代表やクラブで共闘し、楽しかった5人を選出

 日本サッカーにおいて、最高のプレーメーカーは誰か――。選手それぞれに様々なプレースタイルがあるゆえ、永遠に“酒の肴”として議論されるテーマだろう。そうした数々の名手の才能を最も“肌感覚”で理解しているのは、パスのレシーバーになった選手だ。

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 元日本代表MF松井大輔は、日本代表や国内で数多くのパサーと競演してきた。松井直撃インタビューの第3弾は「パスの質」に絞り、印象に残っている選手を挙げてもらった。

「俊さん、ヒデさん、稲本くん、ヤットさん、伸二さん。一緒にやっていて楽しかったですよね」

 松井が口にした5人の愛称を聞けば、ここ20年間の日本サッカーを代表するプレーメーカーの“あの頃”を思い出すだろう。中村俊輔(ジュビロ磐田)、中田英寿(元ローマなど)、稲本潤一と小野伸二(ともに北海道コンサドーレ札幌)、遠藤保仁(ガンバ大阪)。それぞれ中盤のパス出し役としてクラブ、そして日本代表のブルーのユニフォームを身にまとって戦ったレジェンドたちだ。

「僕はドリブラーとしてサイドにいたんですが、大袈裟な表現ではなく“走ればボールが来る”という感じでした。『このタイミングで出てくるんだ、そこを通してくるんだ』と、プレーしながら感心していましたね。僕は相手の裏を取ることに集中できて、そこにパスが出れば『頑張ります!』という感じで気持ち良くプレーさせてもらいました」

5人それぞれに異なったパスのメッセージ

 面白いのは、彼ら一人ひとりのパスの質が違うということ。「パスにメッセージを込める」とはよく言われる言葉だが、松井はこのように続ける。

「ヒデさんの場合はやはり、速いスピードでズバッと通してくる。『とりあえず、行ってこい!』という感じでしたよね。対照的に俊さんの場合は優しいというか……『お前に合わせてやるからな』というか(笑)。稲本くんの場合はサイドチェンジが凄かった。ハーフウェーライン付近でボールを取った瞬間、“ボン!”と出てくる。だから自分の中では稲本くんがボールを持った瞬間、サイドを走るイメージはいつも湧いていました」

 パスの感覚を聞くだけでも楽しくなってくるが、特に熱を帯びたのは、代表だけでなく磐田でもチームメイトとして戦った中村についてだ。

「俊さんはすごくピッチ内外が見えている選手で、なおかつ監督目線でも見られるというか。若手へのコメント、指導の仕方を目にすると分析力も高い。僕にも『こういう風にした方がいいんじゃないか』とかアドバイスくれましたし、僕も質問していましたよ。あといろいろな選手やチームを見ていますよね。話を聞いていると、J3の試合を見てたりとか、『昨日のレアル戦見た?』と切り出してくれることも多かったです」

受け手との呼吸は「みんな本当に上手かった」

 様々なサッカーを観察することによって、自らのプレーにも生かしていく――。中村の姿勢が生きているのは、2017シーズンの活躍を思い出すまでもないだろう。また、中田以外の4人は2018シーズンも現役プレーヤーとして在籍しており、今シーズンもJ1の舞台で“競演”する可能性を秘めている。

「パスの受け手は駆け引きしながら、違う動きを繰り返してマークを外す。そこに対して合わせて出してくれる。その呼吸は、みんな本当に上手かったんですよね」

 このように松井は、歴代パサーの巧みさを振り返った。30代後半となってもその高い技術を披露する中村らのプレーぶりは、今シーズンのJリーグでも必見だ。

茂野聡士●文 text by Satoshi Shigeno

最終更新:1/21(日) 20:39
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