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慶大生の父親殺人事件 「有名漫才師」の孫が容疑者、息子が被害者――数奇な家庭

1/22(月) 6:01配信

デイリー新潮

凶器は果物ナイフ

 現役の慶大生が、慶大OBである自分の父親を刺殺する――。やはり衝撃的という表現が最も適切だろう。判明していない事実も少なくないが、「父親の子供や妻に対する暴力」が動機の可能性として指摘されている。

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 警視庁田園調布警察署は、1月19日、東京都大田区南雪谷の慶応大学2年、鳥屋智成容疑者(20)を殺人未遂容疑で現行犯逮捕したと発表した。

 容疑は、18日午後10時ごろ、自宅マンションのリビングで父親の多可三(たかみ)さん(58)の腹部を果物ナイフ(刃渡り13センチ)で刺し、殺害しようとした疑い。搬送先の病院で多可三さんが死亡し、田園調布署は容疑を殺人に切り替えて捜査を進めている。

 田園調布署などによると、智成容疑者は多可三さんと母親(50)、高校生の弟(17)の4人暮らし。酒に酔って帰宅した多可三さんが弟に説教を始めたところ、智成容疑者は多可三さんに「やめないなら刺すぞ」などと発言。果物ナイフで腹部を1回刺したという。

 先に見たとおり、殺された多可三さんは、自分の妻や2人の息子に暴力を振るっていたとの報道もある。積もりに積もった智成容疑者の鬱憤が、些細なきっかけから爆発した可能性も考えられるが、被害者の多可三さんとはどのような人物だったのだろうか。

 まず職業だが、不動産管理業の会社を経営していたことが分かっている。社のサイトには「企業理念」の項目があり、代表取締役である多可三さんの経歴を以下のように説明している。

コロムビア・ライトの息子

《慶應義塾大学法学部法律学科にて、昭和・平成期の民法学者人見康子名誉教授を師事し、親族・相続を研究。卒業後は(社)マスコミ世論研究所に勤務。衆議院議員上田哲の秘書として中小・零細企業支援、町の民と官の問題解決から相続問題まで、「法の究極に在るもの」を実践・探求》

 議員秘書を辞めてから不動産業に携わったようだ。過去の実績として《ゴルフ場開発案件の環境アセスメント業務》や《相続不動産の問題解決》などを挙げ、《対象不動産が持つ最大ポテンシャルを引き出す適正利用の提案には定評がある》と自画自賛している。

 この多可三さんの父親は、人気の高かった漫才コンビ「コロムビア・トップ・ライト」の故・ライト(本名・鳥屋二郎)さん(1927~2010)だ。

 東京を代表する漫才コンビ。しかも相方の故・トップ(本名・下村泰)さん(1922~2004)は、70年代から90年代にかけて参議員議員だった。そんなライトさんが大倉高商(現・東京経済大学)を中退していたという事実は、それほど知られていない。戦前の教育環境を考えれば高学歴だと言える。

 息子である多可三さんが慶応塾高から慶大法学部。ライトさんから見れば「上の孫」の智成容疑者は中学から慶応付属校に通い、慶大経済学部に入学。「下の孫」の弟も慶応塾高に進んだという。

 ライトさんから一貫して、鳥屋家は成績が優秀だった。息子と孫が揃って慶応というのは相当なものだ。多可三さんも晴れがましかったに違いない。だが、多可三さんの知人は、「暴力的な同級生」という印象が強いと明かす。

「私が知る高校時代の多可三くんは、端的に言えば乱暴な男でした。同級生の頭をヘッドロックしたり、あちこちでケンカをしていたという記憶があります。自分の父親が漫才師だったことに強烈なコンプレックスがあったようで、コロムビア・ライトさんのことをからかわれると、見境なく暴力を振るっていました」

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最終更新:1/25(木) 17:50
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