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Jリーグで巻き起こる「外国人GKブーム」 日本人守護神の未来に影響を及ぼすのか?

1/25(木) 22:42配信

Football ZONE web

日本においてGKとCBは手薄なポジション

 Jリーグが始まった頃、あるクラブが当時のオランダ代表GKエドウィン・ファン・デルサルの獲得を検討したという。ところが、「あんなGKが来たら、シュートが入らなくなって面白くなくなる」という意見があって、実現しなかったそうだ。

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 時代は変わり、現在のJリーグは外国人GK獲得が流行している。

 その国のリーグで人材が薄いポジションは補強対象になりやすい。GKはFWに比べれば移籍金は安くすみそうだし、海外には無名でもかなりレベルの高いGKがけっこういる。失点を減らすには直接効くし、他の選手との連係面での心配もあまりなさそうだ。この先、外国人枠が緩和されていくと、ますます助っ人GKは増えていきそうである。

 日本ではGKとセンターバックが手薄なポジションになっている。欧州のトップリーグでプレーしているのはGK川島永嗣(メス)とDF吉田麻也(サウサンプトン)くらいというのが現状で、MFやFW、SBに比べると明らかに少ない。

 GKとCBは体格がモノをいうポジションだからだろう。体格に恵まれないGK、CBがダメというわけではなく、そういう一流選手もいるけれども、やはりプレーできるチームは限られてくる。

 ただでさえ層が薄いのに、外国人のGKがポジションを占めてしまったら日本人GKが育たなくなるとも言われる。一時的にはそうなるかもしれないが、それほど心配はないのではないか。

若いGKにとって身近な手本になる

 Jリーグの規模はかなり大きくなった。全国に50以上のクラブがある。外国人GKが移籍してきて出番がなくなったら、別のクラブへ移籍すればいい。そうするとまた弾き出されるGKがいるわけだが、玉突き的に移動していっても50もクラブがあるのだから、大量のGKが失業する事態にはならない。Jリーグ全体で言えば、守護神のレベルは上がる。

 若いGKにとっては身近な手本にもなる。GKはセットで専門的なトレーニングを行う時間が長く、同じクラブのGKはライバルであるとともに仲間でもあるわけだ。海外移籍の野心のあるGKがいても、現実に日本人GKの海外移籍は他のポジションよりハードルが高い。しかし、同じチームに外国人GKがいるなら、その選手との競争に勝てばその選手がプレーしていたリーグでやれる力があることを証明できる。外国人GKの活躍が注目されれば、GKをやりたい少年少女も増えるかもしれない。マイナスばかりではなさそうだ。

 かつてポルトガルリーグのGKは外国人選手が多かった。国内にあまり良い選手がいなかったからだろう。ところが、現在はハイレベルのGKを輩出するようになっている。外国人GKの流入が刺激になって活性化されれば、さまざまな良い面もあるはずだ。Jリーグの強化のためにはプラスであり、日本代表の強化にとってはマイナスもあるが、長期的に見ればプラスになるのではないだろうか。

西部謙司●文 text by Kenji Nishibe

最終更新:1/25(木) 23:00
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