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不遇のインテル長友佑都、移籍か残留か。監督の本意は? 出場機会減でW杯へ募る不安

1/29(月) 15:10配信

フットボールチャンネル

 インテルからの移籍が噂されているDF長友佑都。ロシアワールドカップを6月に控えているなかで出場機会に恵まれておらず、新天地を探すのではないかという報道も出てきた。冬の移籍市場が閉まるまで残りわずかとなったが、日本代表不動の左SBはどのような決断を下すのだろうか。(取材・文:神尾光臣【イタリア】)

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●「自分の意向は何なのか我われに話して伝えるべきだと思う」

「あの監督の記者会見は長い」

 ルチアーノ・スパレッティ監督がインテルに来てから、地元記者からこう言った愚痴を聴かされることが増えた。確かに長い。会見で記者から一言質問が飛べば、普通の監督と比べると3倍から4倍もの長さで返事をするのである。

 しかし話は決して冗長ではなく、むしろ内容は面白い。独特の言い回しを用いて一見質問をはぐらかすようでありながら、本質に迫るようなことは案外ズバッと喋る。27日、SPAL戦の前日会見の場では、出場機会を減らし移籍報道がでた長友佑都について次のようなことを話していた。

「選手として成熟してきているのだから、自分の意向は何なのか我われに話して伝えるべきだと思う。私には、彼が出場機会が得られるところに移るべきかどうかを検討したがっているようにも感じられる。

 だが残念ではあるが、私からは何も約束できない。私はあくまで練習の様子を見て、また対戦相手を考えた上で選手を選択する。私自身もインテルが終わった後には代表に挑戦したい。そのためには良い結果を出さなければならないから、そう考えて選手も選択するのだ」

 ロシアW杯を控え、日本代表に選ばれるため出場機会を気にしている長友にかこつけ、代表監督への野望を述べたという格好にはなっている。しかし、本筋はそこではないだろう。

 主張したかったのはおそらく、代表に選ばれる可能性があるなら選手としてそれを心配するのも当然ということと、ただ自分にも指揮官としての都合があるので、そんな選手の希望ばかりは聞いていられないということだ。

●SPAL戦でも長友は起用されず

 かくしてスパレッティ監督は、SPAL戦でも長友ではない選手の選択をした。サイドバックには最近の試合で好調をキープしていたジョアン・カンセロに、故障から復帰したダニーロ・ダンブロージオ。ただメディアの予想に反し、左サイドバックでのプレイ実績があるダンブロージオを右に置き、カンセロを左に回したのである。

「今後は選手の選択を間違えないようにしたい」と前日の会見で語っていたスパレッティ監督だったが、果たしてこの選択が正しかったのかどうかといえば、実際の試合を見る限りでは微妙だった。

 パスは度々ミスをし、守備ではカバーに入っておらず対面のアウトサイドの選手がフリーになっていた。これまでの右サイドバックとしては大きな問題が見られなかった部分なだけに、サイドを入れ替え視野を変えた際の不安定さが余計目についた。

 挙げ句の果てに試合終盤のセットプレーでの守備では、ミルコ・アンテヌッチにかわされて得点につながるラストパスを出されている。

 もっともその一方、攻撃では左サイドから器用にクロスを上げて、オウンゴールを誘っている。前半には中へとドリブルで切り込むような姿勢しか見せていなかったが、後半はイバン・ペリシッチとポジションを入れ替えながら積極的に前線へ飛び出してもいた。

 ただやはり攻守のバランスのバランスが取れているとは言い難く、これならばダンブロージオを左に、カンセロを右に使ったほうが安定したのではないかという印象だった。

●長友もSDも移籍に関して口を閉ざしていたが…

 左サイドでは長友のあとでダビデ・サントンにダウベルトが使われ、そこにさらにカンセロまで加わった格好となったが、決め手となるものは見出せてはいない。しかしはっきりしていることは候補者が増える一方、長友が競争相手を押しのけてポジションを確保できていないということだ。

 とはいえ彼自身、定位置から滑り落ちる理由となるようなミスを試合で犯していたわけではない。本人もその自覚を述べていただけに、今の状況は残念である。

 チーム自体も、これで7試合で勝ち星なしだ。選手の層を上げ、使える戦力を見極めようとしてかスパレッティ監督がメンバーを弄りだした時期と合致するが、組織的な堅守からカウンターを繰り出して点を取るという以前の一体感はすっかり失せている。

 SPAL戦は相手の新鋭GKアレックス・メレトのファインセーブに阻まれた面もあったが、攻めきれず逆に相手に根負けして失点する様子は最近の試合で繰り返された姿だ。ミスも非常に多くなった。

 決め手に欠ける今の状態では、早晩長友にも再びチャンスが訪れそうな気がする。とはいえロシアW杯が迫る状況なら、それを待ってもいられないという危機感もあるのかもしれない。

 果たしてどうなるのか。SPAL戦後、長友もピエロ・アウジリオSDも、移籍に関しては口を閉ざしていたが……。

(取材・文:神尾光臣【イタリア】)

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