ここから本文です

広島 黒田、新井、廣瀬など数々のカープ選手の技術をサポートしてきた「スポーツ上達工房・上達屋」とは

1/30(火) 6:04配信

広島アスリートマガジン

プロ野球チームのコンディショニングコーチを歴任し、スポーツ科学などをもとに、ジャイロボールやシンクロ打法を提唱する『スポーツ上達工房・上達屋』代表・手塚一志氏。
これまで黒田博樹、新井貴浩、廣瀬純など数々のカープ選手の技術をサポートしてきた。
今冬、広島に『上達屋広島工房』をオープンさせ、地方都市で新たな挑戦をスタートしている。



(執筆:坂上俊次)

*  *  *  *  *  *

 ふとホテルで思い立ちインターネットで検索した。天井の高い物件。天井まで3.5mの一室を見つけた。これならバットを振っても壁には当たらない。スポーツ選手のパフォーマンス向上には理詰めであたってきたが、このときばかりは直観的だった。


 日本ハム、ダイエー(現ソフトバンク)、オリックスなど、各球団でコンディショニングコーチを歴任。スポーツ科学・生理学・解剖学の知見をもとに、ジャイロボールやシンクロ打法などを提唱し、著書は累計67万部を売り上げる手塚一志。
彼は東京に『スポーツ上達工房・上達屋』を開いてから25年を迎える。
手塚は新たなチャレンジの場所に広島を選んだ。

広島とのつながりは01年が最初だった。日大山形高時代に手塚の著書を愛読していた栗原健太(現楽天二軍打撃コーチ)がシーズンオフに門を叩いてきた。
当時、一軍定着を果たせていなかった主砲候補は手塚の理論に目を輝かせた。04年には、こちらも彼の著書を読んだ黒田博樹(元カープ)が門を叩いてきた。7回途中8失点という開幕のマウンドから3日後のことだった。「投げたい球を投げられない」。そんな黒田と4年に渡り向き合った。

2006年には廣瀬純(現一軍守備走塁コーチ)が手塚の元を訪ねてきた。
自らのキャリアに危機感を抱いた廣瀬はこれまでの技術を全てリセットし、手塚の理論に野球人生を賭けた。その後、10年は規定打席に到達して初の打率3割をマーク。13年には15打席連続出塁の日本新記録を樹立するなど、二人三脚の取り組みは確実な実を結んだと言えるだろう。


『バッティングの正体』『ピッチングの正体』『驚異のシンクロ打法』。これまで手塚は数々の著書を出版してきた。しかし、プロ野球選手からダイレクトな反応があったことは驚きだった。

「プロでも向上心が高い人は読んでくれている」。

これは手塚にとっても大きな励みとなった。


13年オフには、当時阪神の主軸であった新井貴浩が教えを求めてきた。スイング速度や反射速度に並外れたものを持つ男も36歳を迎えていた。

「体の操り方を見直さないといけない」。新井は明確なテーマを持って手塚を訪ねていた。赤のユニホームにルーツを持つ男たちの取り組みから、手塚も学ぶことは多かった。

「偶然かもしれませんが、セルフマネジメントできる人ばかりでした。世の中は情報に溢れています。だからこそ、選手は情報を選択する能力が必要です。僕は、パフォーマンスを向上させるためのビュッフェです。
良いものを提案して、選択してもらうのです。指導ではありません。それぞれがセルフマネジメントの中で、良いものを採り入れていけばいいと思っています」。

1/2ページ

記事提供社からのご案内(外部サイト)

広島アスリートマガジン

株式会社サンフィールド

毎月25日発売

定価800円(税込)

毎月カープ選手の独占インタビューを掲載!
独自の視点で構成する企画ページは必見!
OB大野豊氏、廣瀬純氏のコラムも絶賛連載中