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広島 黒田、新井、廣瀬など数々のカープ選手の技術をサポートしてきた「スポーツ上達工房・上達屋」とは

1/30(火) 6:04配信

広島アスリートマガジン

 手塚の『ビュッフェ』の原点は、18歳の時期からの学びにあった。高校球児だった彼は、大阪体育大に進み、スポーツ科学を学んだ。運動生理学で人間の筋肉の仕組みを学んだことが人生を変えた。

「高校時代、私は打球は飛ばないのに長距離走は速かったんです。ある先輩は長距離が苦手でしたが打球は飛んでいました。大学で遅筋と速筋があることを知り、バットスイングは速筋タイプ、いや、野球というスポーツは速筋タイプであることを学びました」。


 そこで手塚は教員に訊いてみた。トレーニングで変えることが可能なのか。答えは「変わらない」というものだった。手塚は選手兼任トレーニングコーチとなった。自らの不遇が、スポーツ科学との出会いと結びついた。彼は大学卒業後も筑波大大学院、東大大学院研究生として、3つの大学でスポーツ科学を学んだ。

 そして、93年にオープンした『上達屋』でアスリートと向き合う中から『操育体操』なるものを開発した。

「これは、さまざまなスポーツの質や生活の質を向上させるものです。生きるうえで、体の操り方というものは、ないがしろにされてきたように思います」。


 特に重視するのが骨盤である。

「全ての人は同じパーツからできています。なのに、それぞれのスポーツは別々に発展してきました。でも、操り方は同じだと感じるようになりました。骨盤は、その体の中心です」。


 新井も13年オフから、このメソッドに取り組んでいる。

「10回目くらいに、彼がやっと体の使い方が分かってきたと言ってくれたのを覚えています。37歳のときには、体の感覚は30歳くらいだと話していました」。


 実際、38歳でカープに復帰すると15年には117安打をマークして復調をアピール。翌39歳のシーズンは136安打を放ち、打率・300、19本塁打、101打点でMVPにも輝いているわけだから、その言葉は重みを増す。

「これまで新井選手とは月1回のペースでしかセッションできなかった。これが週1回になればどうだろうか」。


手塚は、ふと思った。

 書籍や新聞記事を頼りに栗原が、黒田が、廣瀬が新たな発見を求めてきた。さらに新井の活躍であり、取り組みだ。

 17年冬、『上達屋広島工房』をオープンさせた。スポーツ科学には理論で攻めてきた男だが、この挑戦は情熱にまかせて一気に決めた。

「我々のやることは1回やればわかり、10回やれば落とし込めます。やればやるほど安定します。広島にはいろんなスポーツがあります。是非いろんな人に自分の体の操り方を知ってもらいたいです」。

 東京では予約がとれないほどの盛況な『上達屋』だ。地方都市でチャレンジする必要性には迫られていないはず。そんな中での挑戦。カープ選手のひたむきな姿は、ひとりの科学者の情熱をも動かした。







▼ スポーツ上達工房『上達屋』代表 手塚一志
東京でスポーツ上達工房『上達屋』を営む。
これまで黒田博樹をはじめ、新井貴浩、廣瀬純(現一軍外野守備・走塁コーチ)らが手塚氏のサポートを求め、技術向上へとつなげていった。


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広島アスリートマガジン編集部

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