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英国風パブ「HUB」、若者の酒離れと無縁なワケ

1/31(水) 6:00配信

東洋経済オンライン

 一方で、フードメニューについては軽食が中心で、充実しているとはいいがたい。「フードでは勝負しない。あえて捨てている」と、HUBの運営会社・ハブのIR(投資家向け広報)担当者は話す。「料理に傾注すると、それではただの洋風居酒屋で、パブの特徴がなくなってしまう」という。

 HUBはキャッシュオンデリバリー(注文ごとに代金を払う)を採用していることもあり、お通しなどはない。顧客は390円払って1杯だけ飲んで帰ることも可能だ。多くの仲間と飲みに行っても、それぞれが都度払いするので、「割り勘負け」する懸念もない。

■ジャックダニエルの売り上げ日本一

 混雑する時間帯は午後9時~午前0時ごろで、2次会や会社帰りなどに利用するケースが多いようだ。客の滞在時間は短く、「1時間ぐらいで帰るお客さんが少なくない」(千葉県の店舗に勤める女性店員)。豊富なドリンクメニューが低価格で楽しめ、気軽に立ち寄れる。つまるところ、HUBは若者客の「ちょい飲み需要」を巧みにとらえているというわけだ。

 HUBのようにパブを本格的にチェーン展開する会社は、なかなか見当たらない。平均45~50坪ぐらいの小さな店構えなのだが、独特の豪華な内装にするために投資負担が1店舗当たり7000万~8000万円と、一般的な居酒屋の倍近くかかる。費用を回収するのには5~6年を要することもあり、「他社はあえて、この業態に参入してこない」と、ハブのIR担当者は説明する。

 唯一の全国チェーンということもあり、ドリンクの販売量はずば抜けている。「ジャックダニエルを日本でいちばん売っている」(ハブの太田剛社長)。ジントニックやギネスビールの販売量もトップクラスだ。

 こういった大量販売によるメリットは大きい。飲料メーカーから販売奨励金やキャンペーン協賛金が得られる。そのほか、店内装飾用のグッズや顧客にプレゼントするノベルティも飲料メーカーから提供されるので、HUBは「ラムカクテル・キャンペーン」など店内イベントを随時展開できる。

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