ここから本文です

お使いのInternet Explorerは古いバージョンのため、正しく表示されない可能性があります。最新のバージョンにアップデートするか、別のブラウザーからご利用ください。
Internet Explorerのアップデートについて

指の皮をついついむしる…「自傷皮膚症」「強迫性皮膚摘み取り症」はれっきとした病気だ

2/3(土) 6:10配信

オトナンサー

 SNS上を中心に「自傷皮膚症」「強迫性皮膚摘み取り症」が話題となっています。投稿には、「無意識に唇の皮を剥いたり、爪先の白い部分を噛んだりむしったりしている人にみられる」「その原因はストレスや欲求不満」などとあり、「小さい頃からずっとこれ」「症名があることを初めて知った」「指の皮をむしるのをやめたくてもやめられない」といったコメントも寄せられています。この自傷皮膚症とは一体どんな病気なのでしょうか。精神科医・行動療法士の原井宏明さんに聞きました。

正式病名は「皮膚むしり症」

Q.自傷皮膚症の人に特徴的な行動とはどのようなものでしょうか。

原井さん「自傷皮膚症の正式な病名は『皮膚むしり症』です。実は3年ほど前まで正式な病名がありませんでした。皮膚科では人工皮膚炎、精神科では身体表現性障害や、特定不能の衝動制御の障害と呼ばれていました。専門家の間では『ゴミ箱診断』と俗称される、どこにも行き場のない迷子のような病気だったのです。それが2013年に改定された米国精神医学会の公式診断基準DSM-5で初めて『Excoriation(Skin-Picking)Disorder』として命名され、日本語では皮膚むしり症と呼ばれ始めました。グループ分けにおいても強迫症(強迫性障害)と同じグループに入ることになりました。『醜形恐怖症』『ためこみ症』『抜毛症』も同じグループです。この症状における本質的な特徴は、自身の皮膚を引っかいたり、むしったりする行動を繰り返すことです。むしる部位は顔や手が最も一般的ですが多くの場合、多数の部位で行います。指の爪や、場合によっては針やピンセットなどを使い、健康な状態にある皮膚の小さな凹凸や吹き出物、硬くなった角質などをむしり取るケースが多いほか、皮膚を強くこすったり噛んだりする場合もあります。むしり行為によって生じた皮膚の病変を化粧や洋服などで隠そうとする人もいます。同時に、そうした病変やむしり行為に伴う出血などを見て、むしる行為を減らしたり止めたりすることを本人が何度も試みる反復行動も多く見られます。止めたいのに止められない、つまり、衝動を制御できないのです」

Q.皮膚むしり症の原因や、なりやすい人の傾向を教えてください。

原井さん「そうなる環境がそろえば、誰でもこの病気になる要素を持っています。地震や火事の最中といった極端なストレス下や、就職や結婚、転居をした直後など環境の大きな変化がある時には起きません。一方、生活環境が安定し、食べ物を探す必要もなく刺激もない、何もすることがない環境に一人ぼっちで置いておくと、犬や猫、鳥でも同じような症状を示すことが知られています。ストレスが一切ないというのも動物にとっては一種のストレスです。暇つぶしのための単純作業のような感じで、とりあえず手近にある自分の皮膚をむしる行為が皮膚むしり症と呼べます。皮膚をむしる症状はさまざまな年齢層の人に見られます。中でも、最も多い発症時期は青年期で、ニキビのような皮膚疾患が増える思春期の始まりと同時期に発症します。この症状を持つ成人の生涯有病率は約1.4%で、うち4分の3以上が女性です。血液型のようなはっきりした遺伝はなさそうですが、糖尿病や高血圧と同じ程度の遺伝はあるようです。親や兄弟に強迫症および関連症がある人は、なりやすい体質を引き継いでいると言えるでしょう。皮膚をむしる症状だけでなく、他の強迫症や不安症も同時に持っているのが普通です。たとえば『手が常に汚れているように感じて何度も手を洗ってしまう』『自分のミスのせいで後々、悔やむことになることへの不安から、戸締まりや確認を繰り返す』『身の回りが自分の思い通りでないと気が済まず、本来の仕事を後回しにして整理整頓にこだわる』などです」

1/2ページ

最終更新:2/4(日) 7:13
オトナンサー

記事提供社からのご案内(外部サイト)

オトナンサー

株式会社メディア・ヴァーグ

日々報じられるニュースの中から気になる話題をピックアップし、掘り下げた記事や、暮らしに役立つ基礎知識などをお届けします。