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【独占取材】Jリーグに新たな技術革新? 海外の名門クラブも愛用するOmegawaveとは?

2/5(月) 22:31配信

footballista

Omegawave グローバルマーケティング担当ミカエル・リーマタイネン氏インタビュー

近年、選手のケガ予防という観点から、選手個々のコンディションを科学的に把握し、トレーニングの負荷や頻度をコントロールすることを重要視する向きが強まっている。そんな最先端技術の一つで、2017シーズンのブラジル全国選手権を制したコリンチャンスの理学療法部門コーディネーターに「優勝に不可欠だった」と言わしめたツールが日本にも上陸するかもしれない。すでに欧州サッカーはもちろん、MLBやNFLでも多くのクラブが導入しているOmegawaveとはいったいどんなものなのか? 来たる2月上旬にJクラブのキャンプ地で説明会を開催するOmegawaveグローバルマーケティング担当のミカエル・リーマタイネン氏に話を聞いた。

Omegawaveを使用している様子をアップした田中亜土夢選手のインスタグラム投稿


インタビュー・文 久保佑一郎(footballista編集部)


これさえあれば
本当の意味での“ベストチーム”が組める


――まずはOmegawaveが何を目的に作られ、何ができるデバイスなのか教えてください。

「Omegawaveについて何も知らない人には、『試合や練習時ではなく、リラックスして休んでいる選手の客観的なデータを計測して、その数値を基にどのくらい疲労が溜まっているのか、次の練習に向けた準備がどのくらいできているかを判定するデバイス』だと説明しています。

 実は開発からすでに15年ほど経っているのですが、動機となったのは伝統的なトレーニングに対する疑問でした。サッカーに限らず多くのプロスポーツで、監督を筆頭にアシスタントコーチやフィジカルコーチ、メディカルスタッフが連係してトレーニングのスケジュールを組み立てますが、以前は全選手がほぼ同じメニューをこなすのが当たり前でしたし、いまだにそういうチームが少なくありません。ですが、それは正しいとは言えません。当然のことですが、選手の身体は一人ひとり違っていて、試合や練習後の疲労度やフィジカルコンディションの回復に要する時間にも個人差があるからです。試合後24時間でリカバリーできる選手もいれば、48時間必要な選手もいるでしょう。ですから、本当なら次の練習でどれだけトレーニングの負荷をかけるか、調整しなければならないはずです。

 にもかかわらず、トレーニングメニューは同じでした。(疲労度や回復時間に)個人差があること自体はわかってはいても、実際にどれくらいの負荷をかけるのが適切なのかを知る方法がなく、選手に合わせてカスタマイズするのが難しかったからです。それを把握して選手に合わせたトレーニングメニューを作るためには、それぞれの選手の疲労度や回復具合の客観的なデータが必要です。そうしたデータを計測するために作られたのがこのOmegawaveです。

 アマチュアならまだしも、どんどん高度化していくプロスポーツの世界ではディテールが勝敗を分けるようになってきています。最近になってようやく、こうした取り組みへの注目が高まってきたところです」


――客観的なデータを計測して選手のコンディションを把握する、というお話ですが、具体的にどういったデータを測定するのでしょうか?

「Omegawaveで測定するのは主に2つ、脳波と心拍変動です。とはいえ、試合や選手の個人スタッツとは違って、具体的な数字がわかったところでその道の専門家ではないコーチングスタッフの方にはそれが何を意味するのかわからないでしょう。ですが、心配はいりません。ここは特に強調しておきたいところであり、また勘違いされやすいところでもあるのですが、Omegawaveは単にデータを測定するためのものではありません。測定したデータを基に、それぞれの選手が現在どういったコンディションで、どれくらい負荷をかけられるかをわかりやすく判定してくれるのです。コーチングスタッフはそれを見て、じゃあ今日は別メニューにしておこうか、といった具合でメニューを調整するのです」


――コンディションを判定してくれるとのことですが、読者がイメージしやすいようにもう少し詳しく説明してもらえますか?

「データのアウトプットは耐久力、スピード、パワー、コーディネーションスキルの4つに分かれていて、項目ごとにシグナルで状態を教えてくれます。赤は練習を避けた方がいい、黄色は消耗している状態、緑であれば良好を意味します。例えば、月曜日の朝に計測した際、パワーは赤だけどコーディネーションスキルは青だったとしたら、パワー系のメニューに関しては回避して個別メニューにする。(練習を)やるかやらないかの2択ではなく、疲労が溜まっている箇所を考慮して選手に合った練習メニューを組むことができるのです」

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最終更新:2/6(火) 11:12
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