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いま親日国カンボジアの人々が中国に共感し、米国を嫌悪する理由

2/13(火) 11:00配信

現代ビジネス

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中国のパワーはいま、世界でどのように強まっているのか? 長年、中国の貧困問題を研究してきた阿古智子氏がカンボジアで見た、華語学校や華人コミュニティのいま――。

前編はこちら:世界で深まる「中国依存」親日国カンボジアではこんな風に進んでいる http://gendai.ismedia.jp/articles/-/54266
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華人のルーツを隠して生き延びる

 前回紹介した集成学校では、王漢校長に話を聞くことができた。

 王校長の祖父は漢方医だったが、カンボジアに移住したのち、薬剤を売る仕事をしていた。

 財をなした祖父は、息子(王校長の父)を上海やイギリスに留学させ、息子は薬剤販売の仕事を引き継いだという。

 王校長は、自分がクメール語が話せない理由をこう説明した。

 「シアヌークの時代は、都市部は中国人が住むところだった。中国語ができなければ見下されるぐらいだったんだ。自分はクメール語を勉強しなかったから、今も話せない。若い世代は違うけどね」

 「1950年代のフランス統治下では、中国人は利用されたところもある。自分と同じ世代の、今70歳ぐらいの人たちは、戦乱のなかで育った。クメール・ルージュの時代には財産を没収され、農村に下放させられた。

 農村では、中国語の名前をクメール語に変えた。着るものも食べるものも不足していた。市民が農村に送られたプノンペンはもぬけの殻で、兵隊が占拠したような状態だったよ」

 テカテカと紅潮した肌が若々しさを醸し出しているこの王校長は、今年69歳だというが、50代ぐらいに見える。

 「公務員は60歳で退職するけどね。うちは社会団体が設立しているというので、公立のカテゴリーに入っているけど、実際は私立と同じ。政府からは干渉もされないけど、補助もない。自分はまだまだ働くよ」

 帮公所制度については前回のコラムで説明したが、今も会館は学校の運営をバックアップしている。集成学校を支える海南会館の重要な財源の一つは、聖母宮に集まるお布施だ。

 聖母宮は航海・漁業の守護神である水尾聖娘(南天夫人)を祀る廟で、海南島東北部沿岸や東南アジアの華人が信仰している。

 中国では媽祖(まそ)信仰が有名だが、媽祖は宋代に実在した管理の娘、黙娘を神格化したのに対して、水尾聖娘は海南島の自然神だという。

 聖母宮に行ってみると、親の代から聖母宮を管理しているという40代ぐらいの人がいたが、クメール語しか話せないようだ。少しすると、華語を話すおじいさんがやって来た。

 72歳のこのおじいさんは、父方・母方の祖父が100年前に海南島・海口の文昌県からカンボジアにわたり、胡椒を栽培していたという。

 フランス料理店のコックをしていたが、10年前に退職し、子どもたちは皆成長し、孫はアメリカや上海で働いている。

 おじいさんは端華学校で9年間教育を受けているため、華語を流暢に話せる。奥さんは潮州出身で、家で話す言葉は95%が潮州語とクメール語だという。

 おじいさんは、父が亡くなった「1978年12月26日」を明確に覚えていると何度も話した。

 「ポル・ポトの時代、自分は30代初めだったが、父は葉っぱしか食べ物がなくなって、栄養失調でお腹が膨れて、餓死したんだ」

 「自分は若い頃からコックをしていたが、財産を没収されて、1975年4月には農村に強制移住させられたよ」

 「クメール・ルージュの後方部隊にも参加した。あの頃は、本当に食べるものがなかったんだ」

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最終更新:2/20(火) 15:00
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