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顔の「オラオラ感」で勝負 トヨタの高級ミニバン兄弟

2/14(水) 7:47配信

NIKKEI STYLE

 いま異様なほど人気を博している新ジャンルの高級車がある。トヨタ「アルファード」「ヴェルファイア」だ。2015年にフルモデルチェンジしたラージミニバンで現行3代目になってから走り、質感共に大幅高級化。結果、モデル末期でもそれぞれ月3000台レベルと人気は高かったが、先日の商品改良後にはアルファードが1万4000台、ヴェルファイアが1万1000台と人気大爆発! 成功の秘訣はいったい何なのか? 小沢コージ氏が吉岡憲一チーフエンジニアを直撃する。

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■「ダンベル」の力強さをイメージ

小沢コージ(以下、小沢) 先日たまたま同じトヨタのエンジニアから重要な金言をいただいたんです。「ミニバンの8割は顔」だと。「ヴォクシー」「ノア」を開発した水澗英紀さんですが、今のミニバンはフロントマスクのデザインがより重要になっているそうで、今回の新型アルファード、ヴェルファイアを見てもまさにその通りだなと。特になんですか、あのエアロ仕様は? アルファード、ヴェルファイア共にバンパー両サイドに、ガツンとフレディ・マーキュリーみたいなヒゲ風のスリットが入っていて。

吉岡憲一(以下、吉岡) われわれはあれをダンベルと呼んでいます。いわゆる筋トレに使うオモリのことで、ダンベルは握るバーを軸にして鉄の円盤が両サイドで踏ん張ってますよね。あの力強さをイメージしたんです。


小沢 もしやそれは吉岡さんが空手家だからとか。

吉岡 違います(笑)。まずアルファードは、よりダイナミックな方向に振るために少しペタンとしていたノーズを若干伸ばして立体感を増やし、逆にギザギザを少し抑えました。

小沢 一方、ヴェルファイアは?

吉岡 あちらは最初の提案にもっとゴツゴツした意匠があったんですよ。

小沢 え? 単純に目立たせればいいんじゃないんですか。僕ら素人からすると単純にキラキラメッキを増やせばいいんじゃないかと思いがちですが。

吉岡 確かにそういう提案もあったんです。一面をメッキだらけにする、なんていうか、鉄筋コンクリートのビルのように、縦横がゴンと構えた意匠もあったんです。でもそれだとやっぱりカッコ良さがない。

小沢 そういえばマイナー前のアルファードってフロントグリルがハガネの腹筋のようで、インパクトありましたよね。僕は勝手に「走るシックスパック」って呼んで気に入ってましたが、あれも今回、やめちゃいましたよね。なぜですか。

吉岡 アルファードの意匠を少し分析すると、いわゆる「豪華絢爛(けんらん)」な方向と「ダイナミックでアグレッシブ」な方向がありまして、15年のフルモデルチェンジ時はシックスパックじゃないですけど豪華絢爛のほうにいきました。

小沢 あ、確かに豪華絢爛って感じでしたね。

吉岡 でも今回、豪華絢爛は打ち止めにして、もっとダイナミックでアグレッシブな方向でやっていこうと。

小沢 意外に繊細なサジ加減があるんですね。で、結果販売はどうなりましたか。

吉岡 1月末の時点でアルファードが1万4000台、ヴェルファイアが1万1000台受注しています。

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最終更新:2/14(水) 7:47
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