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大谷の新監督、ソーシアとは。名将? 時代遅れ? 評価分かれる指揮官は二刀流を導けるか

2/19(月) 11:50配信

ベースボールチャンネル

 大谷翔平が加入したロサンゼルス・エンゼルスは、近年では珍しく1人の指揮官が長期政権を築いている。指揮官の手腕は大谷の二刀流実現の鍵を握るともいえるが、2000年からチームを率いるマイク・ソーシア監督は、現地ではどのような評価なのだろうか?

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■全米が熱視線を送る大谷翔平

 日本ハムからポスティングシステム(入札制度)でエンゼルスに移籍した大谷翔平。大谷フィーバーは、地元ロサンゼルスのみならず全米中に沸き起こっており、連日メディアは揃って大谷の特集を組んでいる。

 メジャーリーグ公式サイト『mlb.com』における若手有望株TOP100リストでも、大谷はダントツのNo.1。目の肥えたスカウトたちによる点数式レポートでは、大谷に高得点を付けている。

 そんなTwo way Super star (二刀流のスーパースター)を預かる事となったロサンゼルス・エンゼルス。現場の責任者であるマイク・ソーシア監督に対しても、大谷をどのように起用するかに注目が集まっている。


■指導者育成にも定評。チームでは絶大な権力も…

 大谷の上司となるマイク・ソーシアは、今年で監督19年目を迎える大ベテラン。監督として1570勝を挙げ、18シーズン中、地区優勝6回、レーオフ進出7回、ワールドシリーズ制覇1回、最優秀監督2回と、名将と呼ぶにふさわしい実績を残している。

 足を使った攻撃や、バントなど小技を使う『スモールボール』は、まさにソーシア野球の代名詞で、指導者を育てる手腕にも定評がある。ソーシアの元で帝王学を学んだコーチ陣が、その後監督に就任して結果を残しており、ダルビッシュの上司となるカブスのジョー・マドン監督もソーシアの門下生だ。

 しかし実のところ、近年のソーシアの監督としての評判はあまり芳しくない。

 就任してからの10年は、900勝720敗、勝率.555、プレーオフ進出6回と、抜群の成績を残してエンゼルスを常勝軍団に育てあげたが、その後8年は670勝626敗、勝率517、プレーオフ進出わずか1回と、大きく成績を落としている。

 年俸総額が常に上位に位置するエンゼルスにおいて、ここ最近の成績は費用対効果が悪すぎる。昨季も80勝82敗と2年連続で負け越しており、さすがにソーシアへの風当たりも強くなってきた。

 監督19年目という長期政権の影響から、球団内では絶大な権力を得ているが、前GMであったジェリー・ディポートとは、データの活用に関して意見が衝突。ソーシアは、オーナーと選手を味方につけ、ディポートを孤立に追い込み、チームから追い出した。

 以前はソーシアのような長期政権が珍しくなかった時代もあるが、近年は若い監督を思い切って採用するのがトレンド。ここ数年で大きく成績を落としている事もあり、現地ではソーシアのスタイルが『時代遅れ』と評する記者もいる。


■『二刀流実現プラン』は成功するのか?

 ソーシア監督は、大谷の起用法に関して状況に応じた柔軟な対応を取ることをアピールしており、入団会見では二刀流として起用することを明言している。またmlb.comのマリア・ガーダッド記者は、ソーシアのコメントを下記の様に報じている。

 「大谷はおそらく、投手としてチームに貢献してくれるだろう。しかしそれは、打者としてのチャンスがないという訳ではない」

 少なくとも近代メジャーリーグにおいて、二刀流に成功した選手はいない。エンゼルスは今、前例にないプランを実行しようとしているのだ。

 大谷に対してプレゼンテーションした『二刀流実現プラン』は、球団が総力を挙げて作り上げたもの。とは言え、事前にどんなプランを作成したとしても、都度、状況に合わせたプランの変更と修正は必ず発生していく。

 シーズンが開幕すれば、全てが手探りとなるのだろう。大谷、ソーシア、エプラーGM、この三者面談がシーズン中、幾度となく実施される事が想像できる。

 前述のように、ソーシアは球団内で絶大な権力を持っているが、自身の契約が今シーズン終了後に切れる。仮に大谷がスランプに陥った場合でも、ソーシアは二刀流を貫く事ができるのか。監督としての忍耐力が問われる。

 二刀流成否のカギを握るマイク・ソーシア。この男の18年間の監督経験が吉と出るのか、凶と出るのか。世界中のファンが、固唾を飲んで見守っている。


松田卓也

ベースボールチャンネル編集部