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『なんでも鑑定団』国宝級茶碗に中国人が「作ったのは私!」

2/20(火) 11:00配信

SmartFLASH

「500円と鑑定されたらどないしよ。全国放送で大恥かくんやないやろか」

 2016年12月、『開運! なんでも鑑定団』(テレビ東京系)に「天目茶碗」を出品した、徳島県内のラーメン店主・橋本浩司氏は不安にさいなまれていたという。

 無理もない。常時2桁視聴率のモンスター番組の影響力は計り知れない。だからこそ、2000万円と鑑定された衝撃は大きかった。

「スタジオのギャラリー300人が大騒ぎ。中島誠之助先生の声が全然聞こえない(笑)。鳥肌が立ちましたよ」(橋本氏)

 明治時代に大工をしていた曽祖父が、戦国武将・三好長慶の子孫の屋敷を移築した際、大枚をはたいて買い求めたーー。父からはそう聞いている。大量に買った古美術品のひとつが天目茶碗だった。

 番組レギュラー出演者で古美術鑑定家の中島誠之助氏は、こう絶賛した。

「12~13世紀、中国の南宋時代に、福建省の建窯(※建陽にあった陶窯)で焼かれた曜変天目に間違いございません。番組が始まって最大の発見です!」

 いわば「茶碗の王様」、それが「曜変天目」だ。完全な形で現存するのは世界で3点のみ。そのすべてが日本にあり、国宝である。だからこそテレビ東京は、放送前から「世紀の発見」と大々的に宣伝。愛知県瀬戸市の陶芸家・長江惣吉氏も注目した一人だ。だが……。

「放送を見て、ひっくり返りましたよ。どう見ても現代中国製のお土産品。真贋以前の問題でしたから」(長江氏)

 放送後、長江氏は実名で番組を批判するが、テレビ東京は「鑑定結果は番組独自の見解」と繰り返すのみ。真贋は宙に浮いたままだった。

 だが放送から1年、曜変の本場、福建省のテレビ局「福建電視台」がその真贋論争に一石を投じた。

■国宝級と鑑定の茶碗、実は3000円だった?

「あの天目茶碗は私の作品です」

 中国の福建省・建陽在住の女性陶芸家、李欣紅氏(62)が、初めて現地テレビ局の取材に応じ、鑑定団に登場した天目茶碗についてそう語ったのだ。

「第4の曜変天目」騒動は、中国でも注目の的。放送直後、李氏のもとに番組の画像がメールで知人から届いたが、見た瞬間に「なぜ私の作品が?」と感じたという。

 現地放送は2017年12月4日。テレビ局に依頼され、長江氏は番組で李氏の聞き役を務めている。

「この文様は、4、5年前に流行したもの。建陽でも十数人しか作っていません。現地の天目茶碗研究第一人者の謝道華氏も、『間違いなく李氏の作品』と言っています。曜変騒動に答えが出ました」(長江氏)

 1月上旬、本誌はあらためて李氏の携帯に連絡した。彼女は「いまでも自分が作ったものと断言できます」と答えた。

「鑑定は間違いです。あの作品は私が作り、お土産品として売っていたもの。販売額は100元~200元(当時で1500円~3000円)ほどなんですよ」(李氏)

 李氏は2011年ごろから茶碗の底に「供御」と彫り始め、2013~2014年ごろから大量に作ったという。だとすれば、明治時代に入手できるわけはない。

 出品者の橋本氏の説明を聞こう。

「初耳ですわ。中国に行った経験はゼロ、家族もね。天目茶碗の美しさに気づいたのは4、5年ほど前。納屋にカギなんてかけてないから、入れ替わってる可能性はありますよ。

 事情はすべて鑑定団に説明してあります。仮に誤鑑定でも、私にとっては宝。番組にも、中島先生にも恨みなんてありません」

■視聴者を振り回す “とんでも” 鑑定団

 曜変だけではない。鑑定団の茶碗鑑定には、ほかにも疑惑の声が上がる。大阪の一流美術商出身で、東京国立博物館で開催された「茶の湯」展(2017年4~6月)の贋作騒動を公にした、京都の古美術商は鑑定の難しさをこう語る。

「中島氏が焼き物全般を鑑定しているが、茶碗の鑑定は非常に専門性が高い。彼はもともと、古伊万里の磁器が得意分野。真偽が疑わしい鑑定は多数ある」

 さらに別の古美術商は、番組の鑑定額という仕組みに疑問の声を上げる。

「売買価格なのか、業者の取引価格なのか判然としない。『エンタテインメント』と言い訳するなら、真贋を判定し価格をつけることなど許されない。公共の電波を使って、美術品を冒涜するようなもの。いちばん迷惑をこうむるのは、誤った知識を植えつけられる視聴者だ」

 指摘に中島氏はどう答えるのか。自宅を訪ねると、「冬休みで外出中」とのこと。夫人が代わりに対応してくれた。

「(中国人陶芸家について)主人は噂では聞いてるみたい。曜変騒動に関して、以前から取材はお断わりしています。専門は古伊万里だけ? 元骨董屋ですから、それ以外も鑑定できると思います」

 テレビ東京は、「鑑定結果は番組独自の見解です」と繰り返した。白黒ハッキリつけたがる中国人に、この答えが通用するはずはない。
(週刊FLASH 2018年1月30日号)

最終更新:2/20(火) 11:00
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