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宇宙に行って眺めた地球は「天国よりも美しい」

2/27(火) 7:05配信

ナショナル ジオグラフィック日本版

宇宙を訪れた人々は、地球を見て何を考えたのかーー。

「この惑星を眼下にしていると、目にする多くのものが人間とは関係なく存在しているように思えます。特に昼間はそうです。地質学的な時間の尺度で考えた場合、私たちはほとんど取るに足らない存在なのです。人類が末長く地球に住み続けたいなら、一つの家族として力を合わせないといけないでしょう」

ギャラリー:宇宙飛行士に地球はどう映ったか

 イタリア人宇宙飛行士のサマンサ・クリストフォレッティは、2015年に国際宇宙ステーションで199日間を過ごした。これは、女性が宇宙に連続して滞在した期間としては、2番目に長い記録だ。

 彼女は宇宙での滞在が長くなるにつれ、人類が地球に与えてきた影響について別の見方をするようになったという。地質学的な巨大な力によって形成された地球を目の当たりにしていると、ピラミッドや高層ビル群を建造してきた人類の歴史など、ほんの一瞬にすぎないように思える。クリストフォレッティの目には、ありとあらゆる建造物は、一夜にして建てられたようなものと映った。

史上わずか556人が体験

 1961年に人類が初めて宇宙飛行をしてから60年近くがたつが、ロケットで周回軌道に突入し、地球の背後から太陽が昇ってくるのを目にしたことがあるのは、わずか556人だけだ。さらに、地球を見ることができない月の裏側にまで到達したのは6人にとどまっている。

 宇宙から地球を見たことで、世界観が変わった人がいる。たとえ言葉で表現できなくても、宇宙から地球を撮影した1枚の写真が、数え切れないほど多くの人の認識を変えることもある。

 2009年、ハッブル宇宙望遠鏡を修理するため宇宙へ向かった米国航空宇宙局(NASA)の飛行士マイク・マッシミーノは、命綱で望遠鏡につながれて作業しながら、眼下の地球に見ほれた。南米の緑あふれる熱帯雨林やアフリカの荒涼とした砂漠、都市のまばゆい光が広がり、まるで楽園のようだった。

「ある時点まで、天国から地球を見ると、こんなふうに見えるのだろうと思っていました。しかしその後、『違う。これはそれ以上に美しい』と思うようになったのです。天国そのものがこのような姿に違いありません。この惑星は一つの楽園なのだと思います」

※ナショナル ジオグラフィック3月号「宇宙飛行士が見つめた私たちの星」では、野口聡一さんほか宇宙飛行士らの「地球観」を特集します。

ナディア・ドレイク

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