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インドネシアで「麻薬緊急事態」──今年2カ月で昨年を超える押収量に

2/28(水) 15:29配信

ニューズウィーク日本版

すべての芸能人に尿検査?

国家警察ではマリファナ、覚せい剤、エクスタシーなどの麻薬はその大半が外国人によって海外から持ち込まれているとみて、外国人の麻薬犯罪者の逮捕、摘発に力をいれている。

インドネシアでは2017年7月にジョコ・ウィドド大統領が麻薬犯罪容疑者に対し逮捕に抵抗した場合は射殺も辞さないとの姿勢を明らかにしており、今回のティト長官の発言は大統領発言の徹底を指示したものといえる。

■芸能界も麻薬汚染

インドネシアではほぼ毎日、麻薬犯罪に関するニュースが流れている。特に外国人と並んで歌手や俳優といった芸能人の麻薬犯罪摘
発が増えている。

2017年3月にはインドネシアの演歌ともいうべきダンドゥットの歌手で俳優のリド・ローマ容疑者が覚せい剤使用容疑で逮捕され、今年2月16日にはダンドゥットの女王といわれる歌手エルフィ・スカエシさんの3人の子供が麻薬取締法違反容疑で逮捕され、26日にはスカエシさん自身が参考人として警察の事情聴取を受けた。

このほかにも芸能人の逮捕は枚挙にいとまがなく、インドネシア国会では「全ての芸能人に尿検査を実施すべきだ」との意見が検討されたこともある。こうした動きに対し芸能人有志が「麻薬根絶宣言」をするなど、芸能界も麻薬問題で揺れている。

インドネシアで流通している麻薬の大半は中国や台湾、香港からフィリピンを経由して密輸されるのが主要ルートだった。だが、フィリピンのドゥテルテ大統領の方針で麻薬犯罪者の現場での射殺を容認する超法規的殺人が増え、フィリピン経由が減少、台湾などから船で直接インドネシアに流入する新ルートが構築されつつあるという。

さらにカリマンタン島(マレーシア名ボルネオ島)の陸路でマレーシア側からインドネシア側への密輸も増加しており、国境地帯を管轄するBNN支部は人員や装備を強化して摘発に努めている。

大塚智彦(PanAsiaNews)

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