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「子どもの貧困」がもたらす心への影響 就職や結婚にまで深刻な影響を及ぼす可能性も

3/8(木) 6:15配信

デイリー新潮

 子どもの7人に1人が相対的貧困の状態にある日本。「相対的貧困」とは、その社会において当たり前とされる生活をするのが困難な生活水準に置かれた状態のことを指す。子どもの生活にたとえれば、友達と遊んだり、学校に行ったり、家族と休日に出かけたりといった、ごく当たり前のことができていない状態である。そんな状態に置かれた結果、家計を支えたり、自分の進学費用を貯めるためにアルバイトをせざるを得ない「高校生ワーキングプア」が増えているという。

 では、貧困は子どもたちの心に、どのような影響を与えるのだろうか。10年以上に亘り貧困の実像を取材し、放送してきたNHKスペシャルの取材班に聞いた。(以下、『高校生ワーキングプア 「見えない貧困」の真実』より引用)

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子どもの貧困がもたらす心への影響

 経済的に厳しい家庭に育つ子どもは様々な場面で我慢を強いられることが多い。

「うちはお金がないから我慢しなさい」

 度々、そう言われ続けると子どもが事情を敏感に察知して、様々なことを諦めてしまうようになってしまう。自分で自分の可能性を狭めてしまうようなケースが生じるのは、こうした子どもの「遠慮」にも起因する。さらに、生活が苦しい余り、子どもに対して言ってはいけないことを口走ってしまう親もいる。

「お前なんか産まなきゃよかった」

「お前さえいなければもっと楽できるのに」

 日々、存在さえ否定するような言葉を言われ続けると、子どもたちは自己肯定感を失ってしまう。やがて自尊心さえ抱けなくなっていくのだ。

「自分は生きる価値がない人間だ」

「どうせお金がないから努力しても無駄だ」

 貧困が親を苦しめ、苦しんだ親たちの言葉が子どもたちに将来にわたって深い傷を負わせてしまうのは、こうしたケースだ。

 こうして自己肯定感が失われてしまうと、失敗を恐れて挑戦する意欲が削(そ)がれていく。つまり「頑張ること」ができなくなってしまうのだ。その結果、夢をもたなくなる。貧困家庭の子どもがどう成長するのかを追跡調査したアメリカの例では、大人になっても、自分に自信をもてずにいることで、就職や結婚にまで深刻な影響を及ぼしてしまうケースが少なくないことも実証されている。

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最終更新:3/8(木) 12:18
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