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エナジードリンクは体に悪いのか?

3/17(土) 9:11配信

ライフハッカー[日本版]

「レッドブル」は翼を授けてくれるとか。でも、それによるデメリットはないのでしょうか? エナジードリンクは危険な秘薬だという人もいれば、魔法の活力源と考える人もいます。実は、エナジードリンクが人体に与える影響に関しては、白黒はっきりした決着はついていません。

【画像】エナジードリンクは体に悪いのか?

カフェインがどっさり詰まったこのドリンクの実態を解明するために、サプリや栄養学の専門サイト「Examine.com」の管理者、Kamal Patel氏に話を伺いました。Patel氏は開口一番、エナジードリンクとその成分について理解するのは厄介な問題だと言いました。

これほど誤解が広がっている理由の1つは、「エナジードリンク」という大きなカテゴリーに、ほかのどんな製品よりも、種類の異なるさまざまなものが含まれているからです。カフェインに加えて、大して効果のない成分が加えられているだけの場合もあれば、有効成分がたくさん入っている場合もありますし、アスリート向けの、パフォーマンスを向上させる物質に近いものが含まれている場合もあります。

「エナジードリンク」と銘打っている飲料を1つ残らず調べ尽くすのは不可能でしょうが、「レッドブル」や「モンスターエナジー」「ロックスター」「5 Hour Energy」などの、人気ブランドが独自のものだとする「エナジーブレンド」には、たくさんの共通点があります。

今回は、それらの人気ブランドのみを取り上げます。ただし、いつも言っていることですが、成分リストをチェックして、自分の好きな飲料と比べてみてくださいね。

一般的なエナジードリンクの成分(とその効能)

エナジードリンクが体に与える影響を議論する前に、その中身を知る必要があります。人気のエナジードリンクによく含まれている成分と、その効能を紹介しましょう。

タウリン

タウリンは天然アミノ酸で、生物が生きていく上で基本的な役割を数多く果たしています。ほどほどに健康なら、体が必要としているタウリンは、自分で作り出せるはずです。メイヨー・クリニックの登録栄養士であるKatherine Zeratsky氏によると、平均的なエナジードリンクには、1缶8オンス(236ミリリットル)当たり約1000ミリグラムのタウリンが含まれており、医学的には安全な量だとされています。Zeratsky氏は、タウリンは精神的・肉体的パフォーマンスを向上させる可能性があると述べていますが、それを裏付ける証拠はほとんどありません。

しかし、Patel氏は、1日中コンピュータ画面を見つめているようなら、タウリンが目に良い効果をもたらしてくれるかもしれないと言います。 M. Zhang氏が行い、『Amino Acids』誌に発表したある研究では、タウリンのサプリメントを定期的に摂取すると、コンピュータ画面がもたらす眼精疲労を軽減・緩和できるとされています。

ガラナ

ガラナはアマゾン川流域に生育する植物で、ブラジルでよく見かけます。ただし、人が摂取するのは植物そのものではなく、その種です。アマゾン流域の先住民は何世紀にもわたって、活力と注意力を高めるためにこの種を使ってきました。フロリダ大学のErica Bub博士ならびに登録栄養士のKarla Shelnutt氏によると、エネルギーを生むガラナの化学成分は、実際は単なる天然カフェインです。実を言うと、ガラナのカフェイン含有量は地上の植物の中でもっとも高密度です。つまり、ガラナの効能はカフェインとほぼ同じというわけです。Patel氏によれば、含有するカフェイン以外にも人体に影響を及ぼす効能がガラナにあるのかどうかは、今でも多くの研究が行われていると言います。『the Journal of Negative Results in Biomedicine』に発表された最近のある研究は、ガラナを含む商品が人の気分や不安、精神的健康に大きな影響を及ぼさないことを示唆しています。基本的には、カフェインを摂取するのと同じなので、カフェインに反応しやすい人には良いのかもしれません。カフェインについてはあとで詳しく検証します。

オタネニンジン

オタネニンジン(もしくは朝鮮ニンジン)は薬草の1種で、肉体的パフォーマンス、集中力、記憶力を向上させると昔から考えられてきました(特に、薬草のイチョウと一緒に摂取したときに効果大)。Patel氏によれば、オタネニンジンが多くの人に有害であるという確かな証拠は存在しません。短期間であればなおさらわかりません。オタネニンジンには、エネルギーを急速に補充する以外にも、利点がいくつかあるようです。

最近のメタ分析により、エナジードリンクによく使われているオタネニンジンには、2型糖尿病の患者にも、そうでない人にも、空腹時血糖値に(限定的ではあるが)良い影響を及ぼす可能性があるという予備証拠が示されました。メタ分析の1年後に発表された2回の無作為抽出・対照実験では、オタネニンジンの効能と、耐糖能異常を持つ人、または2型糖尿病患者の血糖制御を改善する役割を果たす可能性を裏付ける、さらなる証拠が提示されたのです。

その一方、アメリカ国立医学図書館によると、長期間にわたって使用した場合(6カ月以上の定期摂取)は、不眠症を引き起こしかねず、インスリンや経口血糖降下薬、抗凝固薬、利尿剤など、特定の薬剤の適切な作用を妨げることもあるそうです。とはいえ、こうした結果はすべて、議論の余地があるかもしれません。なぜなら、Bub博士ならびにShelnutt氏によると、一般的にエナジードリンクに含まれるオタネニンジンの量は、以前から有効だと考えられている量よりもはるかに少ないからです。オタネニンジンについては、まだ体に良いか悪いかを判断できるほど詳しくわかっていませんが、たまに摂取する程度であれば、たぶん大丈夫でしょう。

ビタミンB群

エナジードリンクの栄養成分表の欄には通常、最低4種類のビタミンB群が列挙されています。ビタミンB3(ナイアシン)、ビタミンB6(ピリドキシン)、ビタミンB12(コバラミン)、ビタミン5(パントテン酸)などです。医学研究から、一部のビタミンB群が欠乏すると、疲労を感じることがあるとわかっていますが、アメリカ国立衛生研究所によると、必要以上のビタミンBを体内に取り入れたからといって、「余分なエネルギー」を得られるわけではありません。必要以上のビタミンBを摂取しても、尿で排出されるだけです。実際には、体が必要としているビタミンB群の大半は食事から得られている可能性が高いので、エナジードリンクに含まれるビタミンB群はおそらく、体内を素通りしているだけでしょう。国立衛生研究所の示唆するところでは、ビタミンB群は、体が必要としていないときに摂取しても安全ですが、ビタミンB6の大量摂取は危険な場合があります。とはいえ、エナジードリンクを50缶近く飲まない限り、危険な量には達しないので心配は無用です。

もちろん、エナジードリンクに含まれている成分はこれだけではありません。ほかにもさまざまな成分が、少量ずつ加えられていますが、中でも2種類の重要な成分があります。それは、砂糖とカフェインです。砂糖は必ずしも体に悪いとは限りませんが、大量に摂取すると体に害をもたらします。飲み物から砂糖を摂取するのは特に危険です。なぜなら、体が砂糖の摂取を認識しないまま、つまり空腹を感じたままで飲み続けてしまうからです。無糖の製品を選ばない限り、ほとんどのエナジードリンクは1缶当たり約30グラムの砂糖を含んでいます。よって、容器の大きさにもよりますが、軽食と同じくらいのカロリーを取り込んでいるのに、重要な栄養素は摂取していないことになりかねません。無糖タイプのエナジードリンクの大半には人工甘味料が使用されていますが、これがまた厄介な代物です。この代替物は、精製糖を使わなくてもまったく同じ成分を提供しますが、人体への影響について大いに議論されてきました。総合的に見て、人工甘味料の発がん性を示す明確な証拠はありませんが、まだ多くの謎が残されています。

一方のカフェインは、すべてのエナジードリンクに含まれるもっとも一般的な成分です。エナジードリンクを飲んでエネルギーの高まりを感じたら、それはおそらくカフェインのおかげでしょう。カフェインはカテコールアミン伝達を増やすことでやる気と集中力を高めますが、カフェインに対する耐性が徐々に生じてくると、この効果が低下する場合があります。Patel氏によると、十分な耐性ができてしまうと、カフェインから得られるのは覚醒効果のみとなります。要するに、眠れないけれども、かといって「エネルギー」がどんどんわいてくるわけでもない状態です。もっと知りたい方は、カフェインが人体に与える影響について詳細に述べた記事を参考にしてください。

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