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大坂なおみ、世界1位を撃破した瞬間にラケットを投げなかった理由

3/18(日) 14:25配信

webスポルティーバ

 世界1位を破る歓喜の瞬間はあまりにあっけなく訪れ、快挙を成し遂げた当事者も、その事実を淡々と受け止めているようだった。

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 だが、「実は……」と大坂なおみは、のちに照れた笑みとともに、そのときの”真相”を打ち明ける。

「勝ったらラケットを放り投げ、ものすごく喜ぼうかな、とか考えてたの。でも、次の瞬間には『試合中にそんなことを考えちゃダメだ』と自分に言い聞かせた。そんなことを考えたらきっと負けだして、私はものすごく腹立たしい思いをするだろうから」

 そして彼女は会見室の記者たちに、確認するように問いかけた。

「ダーシャは勝ったときに、ラケットを投げて喜んでたよね?」

 大坂が言う「ダーシャ」とは、準決勝でビーナス・ウィリアムズ(アメリカ)を破り、ひと足先に決勝進出を決めたダリア・カサトキナ(ロシア)のことである。大坂と並ぶもうひとりの「20歳の女王候補」は、大坂がシモナ・ハレプ(ルーマニア)から第1セットを6-3で奪った直後に、記者会見室に現れた。

「興奮しすぎて、皆の質問にちゃんと答えられるかわからないわ!」

 童顔を紅潮させ、声を上ずらせるカサトキナは、勝利の喜びを語るその間もせわしなくスマートフォンをのぞき込み、大坂vs.ハレプ戦のライブスコアをチェックする。そうして約15分間の会見が終わったとき、彼女はもう一度スマホに視線を落とすと、驚きの声をあげた。

「ワーオ! なおみの5-0よ!」

 カサトキナが会見室で記者の質問に答えていたとき、センターコートでは大坂が世界1位のハレプを完膚なきまでに打ちのめしていた。

 第1セットでは効果的に決まっていたハレプの左右からのランニングショットが、第2セットでは鳴りを潜める。代わりに増えていったのが、時にネットを叩き、時にラインを割っていくミスだった。

 それらのミスは、公式記録上では「unforced error=自ら犯した過失」と記される。だがその実態は、「エラー」のひと言で片付けられるほど単純なものではない。大坂の完全勝利へのシナリオが書かれ始めたのは、第1セット終了後。彼女がコーチのサーシャ・バジンをベンチに呼び寄せたときだった。

「僕が必要かい? 君は世界1位から、第1セットを奪ったんだよ!」

 手を広げ、快活な声を上げるコーチに、大坂は「あまりタイミングが合ってない」と訴えた。

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