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ワシがワシを襲撃! 迫力の瞬間はこうして撮影した

3/20(火) 16:32配信

ナショナル ジオグラフィック日本版

喧嘩に明け暮れる猛禽のワシ、重傷を負う危険も辞さず

 威厳あふれる米国の国鳥ハクトウワシは、驚くほど喧嘩っ早いところがある。縄張り争いで空中戦を繰り広げる一方で、魚の切れ端をめぐって鋭いかぎ爪を振るうこともある。写真家クリスチャン・ザッセが、米アラスカ州アリューシャン列島東部のダッチ・ハーバーでこのほど、ハクトウワシが争っている光景をスローモーションで撮影した。

【動画】ワシがワシを襲撃! 迫力の瞬間をスローで

 動画を見ると、まだら模様のある若いワシが鳥の群れに向かって急降下し、のどかに魚をついばんでいた成鳥に体当たりを食らわせた。不意をつかれた成鳥は後ろに押し倒され、あわや水中に沈みそうになるが、どうにか体勢を立て直す。

「若いワシのかぎ爪が、すんでのところで成鳥の目に届くところでした。どうりで、目に傷を負ったワシを見かけるはずです」と、ザッセ氏は話す。このような激しい格闘の帰結として、くちばしが欠け、脚に傷を負い、顔に深い切り傷を残すワシも多い。

「このような争いは、1秒も経たないうちに終わります」。今回の場合は「どちらのワシも傷を負わず、餌をめぐる騒動はすぐに終わりました」

一瞬で終わる争いをじっくりと観察

 2018年2月にザッセ氏がダッチ・ハーバーに向かったのは、ワシの写真を撮りたかったからだ。人口4500人ほどのこの漁村には、通常1000羽近くのワシが群れをなす。

「アリューシャン列島の気候は寒く厳しいので、ここにいるワシは体が大きい。また、人にもよく慣れています」と、ザッセ氏は話す。「車の上に舞い降りることもあれば、自分のすぐ隣に降り立つこともあります」

 いつもなら横殴りの雨に降られ、風に鞭打たれるところだが、ザッセ氏の滞在中に天気に恵まれる時が訪れた。これなら申し分のない映像が撮れそうだ、と彼は地面に横たわった。ちょうどその時、若いワシが殴り込みをかけてきたので、首尾よく今回の動画を収めることができた。

 ザッセ氏によると、このように一瞬で終わる壮絶な闘いをスローモーションの映像に収めるのは難しい。こうした映像があると、ワシの飛行を流体力学と空力弾性学を用いて物理的に解明する手がかりになるという。

「静止画や、現実に流れた時間通りの動画で見ても、何が起こっているのかまるでわかりません」と、物理学の素養があり、スローモーションとタイムラプス(微速度撮影)を好むザッセ氏は語る。

「羽毛は目に見えない空気の流れに対し流線形を保っており、どの羽も独自の役割を持ち、それを極微に至るまで高度に組み合わせ、適切に連携させて、飛行システムとして機能させているようです」

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