「貴金属」が万人に幸せをもたらすとは限らない。先ごろ警視庁に逮捕された金塊密輸グループの主犯格は、ファッションモデル・高垣麗子(38)の夫で、彼女の前夫はご存じスピードスケート金メダリストの清水宏保(44)。これも数奇な繋がりというべきか。
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7日、警視庁組織犯罪対策四課に逮捕されたのは、高垣の夫でミュージシャンの森田昌典(41)と、男女2人。
「容疑は昨年11月中旬、香港から金地金4キロ(販売価格1880万円相当)を密輸し、消費税およそ147万円を免れようとしたというもの。運搬の実行役は女で、森田が資金を提供し、もう1人の男が現地での買い付けを指示していました。羽田空港の税関で、女のリュックサックを不審に思った職員が調べたところ、ノートに挟まる形で1キロの延べ板が4枚見つかったのです」(警視庁担当記者)
金の価格は世界共通であり、密輸入して国内で転売すれば消費税分の利ザヤが稼げる。が、1回の実入りは少なく、繰り返し行われるのが実態である。
「森田は今回、渡航していませんが『昨年夏から密輸を始めた』と供述。実際にこれまで、不自然なほど頻繁に香港への渡航を繰り返しています。当局は、森田も現地で常習的に買い付けていたとみていますが、とりわけ関心を寄せているのは、一連の密輸の金主です」(同)
まずは裏社会の住人が思い当たるところだが、かつて金密輸グループを取り仕切っていた男性によれば、
「通常は金を体に巻きつけたりキャリーバッグを二重底にするなどして徹底的に隠します。ノートに挟むなんて完全な素人。薬物と違って罪悪感もないので、実際に素人が軽い気持ちで携わるケースは多い。転売の過程でグレーな人々との関わりができますが、この規模であれば、資金は“自己調達”だと思います」
高垣は清水と2010年に結婚し、清水の不倫疑惑もあって翌年末に離婚。その後15年3月に森田と再婚し、昨夏には第1子が誕生した。夫婦は現在、都心の高級マンション在住で、約1億4000万円の住宅ローンも、高垣が単独で組んでいる。蛯原友里や押切もえらと並び称された元トップモデルの資産は、今なお潤沢のようである。
今回の件でその妻は、
〈予期せぬ突然の出来事で戸惑っております〉
などとコメント。あらためて事務所に聞くと、
「7日の夜、高垣から『夫が捕まった』と、慌てた様子で電話がありました。事件については『全く知らなかった』と話しています」
が、知らぬ間に金主にさせられていた疑いは拭いきれない。
「誰がお金を出したのかは、今後の捜査で明らかになるでしょう。今のところ高垣からは、警察に呼ばれたという報告は受けていませんが、求めがあれば当然、協力させて頂きます」(同)
ともあれ“金”はもう懲り懲りのはずだ。
「週刊新潮」2018年3月22日号 掲載
新潮社
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