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虎の目はどこを見ているのか。オープン戦最下位の阪神が怖い理由。

3/23(金) 11:01配信

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 この時期、球界で最も忙しい人種の1つに「スコアラー」がいる。相手チームの情報収集、戦力分析を任されている彼らは、今月末の開幕戦でフタが開く直前、最後の追い込みに奔走している。

 そんな中、スタジアムである球団のスコアラーに会った。

 「今は、トラックマンや、セイバーメトリクス、いろいろなデータが手元にあります。野球が変わってきたと感じますね。例えば、打撃なら打球に角度がつけられる打者がどれくらいいるのか。長打を打てる打者がどれくらいいるのか。そこが強いチームの指標ですかね。その点、広島は鈴木誠也、丸(佳浩)なんか、そういう打者が他球団よりいます。今年も頭1つ抜けているでしょうね。

 そして、あとは……、阪神ですね」

 タイガースは目下、オープン戦最下位である(3月22日現在)。関西では期待が高かった反動で、悲観論が渦まいているという。ただ、実際の現場では偵察のプロが、そんな猛虎に危険な牙を見ているのだ。

「調整」ではなく「強化」。

 タイガースの現場に行ってみた。なるほど、こちらの先入観もあるのだろうが、番記者たちの間に漂っている空気は確かに重かった。ただ1年を通じて、勝つ喜びと負けた悔しさをファンに届けるメディアには、ある意味で最も結果がストレートに表れるものかもしれない。

 ではチーム内はどうか。あるスタッフが言った。

 「確かに厳しいですよ。特に昨年活躍したピッチャーが苦しんでいることと、エラーが出ているということが……。でも、今もかなりの練習をしているんで、疲れが出ていることも確かだと思います」

 なるほど……。つまりキャンプが終われば「強化」から「調整」へと向かうところを、虎はあえて調整していないということだろうか。

 そんなことを考えていると、金本知憲監督をベンチで支える首脳が目の前を歩いていった。

金本監督「まあ、弱いわな(笑)」

 「まあ、弱いわな(笑)」

 言葉とは裏腹に、その言葉は番記者たちに漂っていた空気よりも、ずいぶんと明るく感じた。

 「まだ力がない部分があるのは事実だよ。ミスが出て負けているっていうのも良くないよな。ただ、シーズンは長いから。追い込んでいるのは本当だよ。追い込みすぎるくらいにな……」

 そう言って浮かべた不敵な笑みに、少しゾクッとした。そして思った。虎の目はどこを見ているのだろうか。

 「阪神に“捨てゲーム”は存在しない」

 かつて球団の人間からこんな言葉を聞いたことがある。俗に言う捨てゲームとは、順位に関係なかったり、分の悪い試合でベテランを休ませたり、若手を大胆に起用したりして、翌日以降の勝利の確率を上げていこうという考え方である。言い換えれば「明日への肥やし」だ。

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最終更新:3/23(金) 11:01
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