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来年恩赦の可能性も… 収監中の死刑囚の心理に与える影響は

3/24(土) 7:00配信

NEWS ポストセブン

「恩赦」は、恩赦法で大赦、特赦、減刑、刑の執行免除、復権の5つが規定されている。国家的慶事などの際には、政令で恩赦の対象となる刑の種類などの要件を定め、実施される。2019年5月に控える新天皇即位と改元にあたって、戦後13回目となる恩赦が行われる可能性がある。だとすれば「恩赦」の存在は、収監中の死刑囚の心理にどのような“揺らぎ”を与えているのか。(文中一部敬称略)

 現在、確定死刑囚の数は122人となっている。ノンフィクション作家の斎藤充功氏は、2007年に確定死刑囚となった小田島鐵男との面会を繰り返した。

 小田島は59歳だった2002年、共犯者と千葉県松戸市のマブチモーター社長宅に宅配業者を装って侵入し、社長の妻と娘を殺害。現金約250万円と貴金属を奪い、逃走の際には社長宅に放火した。

 小田島は16歳で少年院を出院して以来、マブチモーター社長宅殺人放火事件を起こすまで計8度も日本各地の刑務所に入所と出所を繰り返していた。

 死刑が確定した後、斎藤氏のもとに届く手紙には時折、小田島の懺悔が綴られていた。

〈人の命を奪った者に、償いはありません。(中略)私が呼吸し、食べ、眠る──生き続けていること自体が、被害者に対する冒涜のような気がします〉

 そんな小田島に、斎藤氏は一度だけ「恩赦」の話題を振ったことがある。すると、「俺のように死刑を確定させて執行を待つ身には、恩赦なんて考えられません」と語ったという。

 その小田島は昨年初めに食道がんに冒されていることが発覚し、同年9月に74歳で獄中死した。

「『治療に金をかける必要なんてないんです』と語り、痛み止めの薬だけで耐えていました。苦痛に耐えることが被害者遺族に対する贖罪だったのでしょう。最期は枯れ木のようにやせ細っていました」(斎藤氏)

 一言に“死刑を免れる恩赦”と言っても、受け止める関係者の胸中は単純ではないのだ。

 昨年10月、フジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』が重犯罪者の息子のインタビューを放送し、話題となった。その事件とは、2002年に発覚した北九州市連続監禁殺人事件だ。内縁関係にあった松永太死刑囚と緒方純子受刑者が、マンションの一室で7人を殺害。同番組チーフプロデューサーの張江泰之氏は、両親の「恩赦」の可能性について息子に尋ねた際のことをこう証言する。

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