日本代表は23日の国際親善試合マリ戦を1-1のドローで終えた。代表デビュー戦でゴールを決めたFW中島翔哉に救われた形だが、DF長友佑都は6月のロシア・ワールドカップ(W杯)を見据えて「ここで苦戦しているとW杯は厳しい」と嘆きを漏らし、代表チームの現状に危機感を覚えている。
【動画】代表デビューのFW中島翔哉が劇的同点弾も…“仮想セネガル”のマリに苦戦
W杯グループリーグ第2戦で対戦するセネガルを想定して臨んだマリ戦だったが、日本は攻守両面で苦戦を強いられ、後半アディショナルタイムに中島が決めた劇的同点弾で辛うじて引き分けに持ち込んだ。日本のパフォーマンスは敗戦チームのそれで、W杯を踏まえると課題が多く目立つ試合となった。
イタリアの名門インテルで8シーズンに渡ってプレーし、今冬にトルコの強豪ガラタサライに移籍した長友は、2010年南アフリカW杯から2大会連続で出場しており、真剣勝負の難しさを熟知している。
「(マリ代表は)スピードがあって、良い選手もいたけど、正直セネガル、コロンビア、ポーランドは全てのレベルが違う。ここで苦戦しているとW杯は本当に厳しい結果になる」
マリ戦の前半は、左ウイングの宇佐美貴史のパスやCKから何度かチャンスが生まれ、代表デビューのDF宇賀神友弥を起点に右サイドからもシュートチャンスを作り出している。だが後半に入ると攻め手を失い、後半40分に中島がミドルシュートを放つまで、相手ゴールに迫れない状況が続いた。長友は課題について次のように指摘している。
「本番は相手のフィジカルレベル、1対1のレベルが高いので、あのボール回しだとボールをかっさわれてショートカウンターを食らう。しかもそのスピードがえげつないんでね。ボールを持った時の組み立てのところは修正するべきだと思う」
左サイドバックでフル出場した長友は、左ウイングで先発の宇佐美、同ポジションで途中出場の中島と縦関係を築いたが、連係面は“本番仕様”に達していないと認めている。「宇佐美と久しぶりにコンビを組んだし、中島とも初めてだったから、もっと話していかなければ」と語っているとおり、宇佐美は9カ月ぶりの招集で、中島に至っては初招集とあって、必然の成り行きであったのも事実だ。
それでもW杯までの時間は限られており、「(相手のプレスに)ハメられた状況でも、二人(SBとウイング)のコンビネーションで崩せないと厳しい。僕も反省しています」と本番を見据えたコメントを残している。
「伸びしろなんて言っていられる時期じゃない。今、修正しないと手遅れになって終わりますよ」
長友が最後に発した言葉は、ハリルジャパンが置かれた厳しい現状をそのまま投影している。
大木 勇●文 text by Isamu Oki(Football ZONE web編集部)
最終更新:3/24(土) 6:03
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