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イブプロフェンが男性不妊に関係? ホルモンバランスに影響

3/26(月) 15:13配信

日経グッデイ

 市販の風邪薬や解熱鎮痛薬などに配合されている「イブプロフェン」という成分が、男性の性腺機能を低下させ、男性不妊に関係する可能性がある――。そんな研究結果を、デンマークやフランスの研究者たちが示しました。

●男性不妊の原因の1つはホルモンを分泌する内分泌系の異常

 先進国では男性不妊の増加が懸念されており、ホルモンを分泌する内分泌系の異常が主な原因の1つと考えられています。

 これまでに、イブプロフェンを含む鎮痛薬を妊婦が使用すると、先天奇形や、子どもの生殖機能に異常が生じるリスクが上昇するという報告はありましたが、成人男性に対するそうした薬剤の影響はほとんど分かっていませんでした。

 今回、デンマーク・コペンハーゲン大学のDavid Kristensen氏らは、イブプロフェンと男性の性腺機能の関係を調べるため、(1)若い健康な男性にイブプロフェンまたはプラセボ(偽薬)を投与する無作為化試験(*1)と、(2)ヒトの精巣の一部を培養してイブプロフェンを作用させる実験などを行いました。

*1 無作為化試験:参加者を条件の異なる複数のグループにランダムに割り付けて、その後の経過を比較する臨床試験のこと。無作為化比較試験、ランダム化比較試験ともいう。

男性ホルモンのテストステロンの値には差がなかったが…

 (1)の無作為化試験では、18歳から35歳までの31人の健康な白人男性を登録し、14人にイブプロフェン(600mgを1日2回;通常、日本の成人が1日に使用する最大用量の2倍)、17人にプラセボを、それぞれ6週間投与しました。

 投与前から投与終了後までの間に複数回採血して、血中のテストステロン値(男性の生殖機能に関係する男性ホルモン)を調べたところ、イブプロフェン群とプラセボ群の間に差は見られませんでした。

 ところが、イブプロフェン群では、14日時点で血中の黄体形成ホルモン(LH)の濃度がプラセボ群に比べ23%高く、44日時点では33%高くなっていました。LHは、精巣でテストステロンを産生する「ライディッヒ細胞」という細胞を刺激するホルモンです(下記「もっと詳しく」参照)。

【もっと詳しく:男性の生殖機能を左右するものは?】

【 男性の生殖機能は、精巣のライディッヒ細胞で主に生産されるアンドロゲン(ステロイドホルモンで、代表はテストステロン)に大きく依存しています。アンドロゲンは男性の健康全般にも影響を及ぼしており、認知機能との関係も示唆されています。

 ライディッヒ細胞でのテストステロンの産生を刺激するのは、脳下垂体から分泌される黄体形成ホルモン(LH)です。ライディッヒ細胞の機能が低下しても、人体は、LHの分泌を増やして刺激を強化し、テストステロン値を正常に維持しようとします。そのため、表向きにははっきりした症状は現れないが、実は内分泌系に異常が生じている、「代償性性腺機能低下」という状態になります。その場合、ライディッヒ細胞の機能の指標として用いられる遊離テストステロンとLHの比(遊離テストステロン/LH比)は低下します。

 なお、加齢によって男性の生殖機能が低下する理由は、ライディッヒ細胞の機能低下にあることが知られており、高齢男性には代償性性腺機能低下が多く認められます。】


 血中LH濃度の変化は、血中のイブプロフェン濃度と呼応するように生じていました。また、ライディッヒ細胞の機能の指標として用いられる「遊離テストステロン/LH比」を調べたところ、イブプロフェン群では、プラセボ群に比べて14日目に18%、44日目には23%低下していました。

 これらの結果は、イブプロフェンが、代償性性腺機能低下(上記「もっと詳しく」参照)を誘発することによって男性の生殖機能を低下させる可能性を示唆しています。

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最終更新:3/26(月) 15:13
日経グッデイ

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