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J1を蹴ってタイに。そしてJFLに。 高木和道「人生ってわからない」

3/27(火) 17:20配信

webスポルティーバ

ベテランJリーガーの決断 ~彼らはなぜ「現役」にこだわるのか

◆第2回:高木和道(MIOびわこ滋賀)/前編

 3月24日、甲賀市陸上競技場(滋賀県)で行なわれたJFL第3節、MIOびわこ滋賀vsヴェルスパ大分。開幕から2試合を戦って1分1敗の成績で今節を迎えていたMIOびわこ滋賀はこの日、今シーズン初の白星をつかみ取った。センターバックの一角を担い、フル出場で”完封”に貢献したDF高木和道(37歳)は、試合後、仲間と順にハイタッチを交わし、勝利を称えあった。

【写真】ベテランJリーガーの決断~彼らはなぜ「現役」にこだわるのか(第1回:播戸竜二編)

「やっと勝てました。これまで戦ってきたどのステージも、どの試合も簡単な試合なんかなかったけど、このチームが抱えるいろんな問題を考えても1勝の重みを感じています。このスタジアムは芝もいいし……ってか、タイに比べたら格段にいいので、この年齢の僕には助かります(笑)」

 まだ、どことなく見慣れない緑のユニフォームに身を包み、白い歯を見せる。スタンドに集まった約300人の観客のもとに足を運ぶと、サポーターに頭を下げた。

       ◆       ◆       ◆

「人生ってわからないものです」

 これまでも、移籍のたびに彼から聞かされてきた言葉だ。

 例えば、大分トリニータ時代。最後の在籍となった2014年シーズンを、ほぼフルで戦ったにもかかわらず、契約満了となったときも。2015年に在籍したFC岐阜を離れる決断をし、次の行き先を探している最中に、J1のジュビロ磐田からオファーを受けたときも。同じ言葉を口にして豪快に笑った。

「試合に絡んでいたとはいえ、J2の岐阜でしかも、2015年の成績は22チーム中20位でしたから。その僕がもう一度、J1のクラブに戻るチャンスをもらえるとは……いやぁ、何が起きるか、わからないものです!」

 それは、昨年まで所属していたタイのエアフォース・セントラルFCへの移籍が決まったときも同じだ。

 2016年シーズン、ジュビロ磐田でのシーズンを終えたあと、高木はある決断をしている。それは1年の契約を残しながら、磐田を退団するというもの。周囲からは、35歳という年齢を考慮してのこともあり、「J1クラブとの契約があるなら全うしたほうがいい」という声も聞こえてきたそうだが、彼は自身がチームで置かれている現状を踏まえ、決断に踏み切った。

「ジュビロ磐田で1年間お世話になって、ましてや契約も残している中で、何の恩返しもできないままチームを去ることがいいのかは本当に考えました。

 ただ現役選手としてのサッカー人生が残り少なくなってきて、若い頃のように純粋にサッカーがうまくなりたいというより、サッカー選手として、ひとりの人間として『人生の経験値をより高めたい』という考えが強くなっていた中で、かねてから描いていた”海外での仕事”を実現するには、選手としてチャレンジするのが一番、簡単かもしれないな、と。

 と同時に、その”海外”も年齢を重ねるほど難しくなるのはわかっていたので、これがラストチャンスかもしれないと思い、まずはジュビロ磐田に退団の意思をお伝えしたうえで、行き先を探しました。それが、エアフォースでした」

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