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30歳貧困男性がアニメ制作会社で見た深い闇

3/28(水) 5:00配信

東洋経済オンライン

現代の日本は、非正規雇用の拡大により、所得格差が急速に広がっている。そこにあるのは、いったん貧困のワナに陥ると抜け出すことが困難な「貧困強制社会」である。本連載では「ボクらの貧困」、つまり男性の貧困の個別ケースにフォーカスしてリポートしていく。

■出勤初日、おかしいと思った

 「アニメ・マンガが好き」「未経験から飛び込んできてください!」「今が人を育てるチャンス」――。インターネットの求人サイトにはこんな誘い文句が並んでいた。また、雇用条件には「6:00~16:00、10:00~20:00、20:00~翌6:00の3交代」「残業1日1~2時間」「月給17万円、残業手当込」「交通費支給、雇用労災保険あり」ともあった。

 悪くない――。3年前、ジュンジさん(30歳、仮名)はそう思い、埼玉県内のあるアニメ制作会社への転職を決めた。しかし、期待は出勤初日に裏切られる。

 「社長から“よろしく”と言われただけで、なんの説明もなく、現場に放り込まれたんです。入ったその日に、おかしいと思いました」

 案の定、募集広告は詐欺同然だった。働き始めてまもなく、実際の勤務時間は11:00~23:00で、最初の2カ月は試用期間なので月給は13万円だと告げられた。その後、雇用、労災保険どころか健康保険も厚生年金にも加入していないことが判明。交通費は支給分では足りず、毎月およそ2万円を自分で負担した。

 タイムカードもないというので、スマートフォンに出退勤時刻を記録。それによると、退勤時刻が「29:10」「27:40」「27:50」という日もあった。昼前に出社して翌日の明け方近くまで働き続けたことになる。一方でどんなに残業しても、月給は変わらなかったので、実際の賃金は時給換算すると、最低賃金をはるかに下回った。

 ジュンジさんが入ったのは、主に「海外動仕」といわれる、中国や韓国など海外にあるスタジオに動画制作や仕上げ作業を依頼する会社だった。社員は社長を含めて十数人。

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