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オシャレな街・自由が丘で異彩を放つ男の勲章酒場『I』

4/1(日) 12:30配信

@DIME

オシャレタウンに異色に光る男の勲章酒場!!自由が丘『I』の評価
オヤジナリティー ★★
家計貢献度    ★
エロテイスト   ★

 マシャレなマダムとスイーツの街・自由が丘。

 秘境酒場とまったく縁のないようなムード漂うこの街にも、ジャンバー系オヤジが好む小さな呑み屋街がある。駅の東北側の、東横線と大井町線の線路に挟まれた三角形の地域だ。

 たしかこの一角に名称があったよな~と思って今調べたら『美観街』という名前らしい。でもまぁそんなことはどうでもいい。

 先日、特に呑む気はなかったんだけど、この街を歩いてたら、なんか知らない間に新しい店が出来ている。

 看板には“牛タン”と、なんか高そうな料理名が書いてあるんだけど、暖簾には“牛串”“タン串”なんていう、イメージ的には一気に庶民的に感じられる品名が染め抜かれている。

 同じ“タン”でも、“牛”ときて“タン”と書いてあると、ついつい高そうで遠慮しちゃうが、そこに“串”って漢字が一文字入るだけで、急激に手が届きそうになってくるのはなんなんだろうね。

 もしかしたらこの店、実は1年近く前からあったのかもしれないけど、今までは“牛タン”の文字しか目に入らず、そこからげでお財布防衛本能で無意識に避けてたのが、今日に限って偶然にも“串”って文字を見つけたんで、

「オオッ!!」

 と、初めて思ったのかもしれない。

 なおかつ! 店頭に宣伝用のティッシュが置いてあって、それをひとつもらったら、

『牛串・タン串 全品199円!!』

 なんて書いてある。豚モツの串だったらちょいと高いけど、なにしろ牛だ! 御牛様だ!!

 御牛様で199円ならば、オレは許す!! と「オオッ!!」の気持ちに更なる拍車が掛かり、もうその気持ちに抗うことはできず、フラフラと、その店『I(仮名)』に入店してしまった。

 店内は二階もあるみたいだったが、オレが座った一階は鰻の寝床型のカウンターだけの店内。夕方5時前でちょっと早い時間だったこともあったのか、客はオレだけだった。

 まずは飲み物のメニューを見る!

『串の前に登場した予想外のウマイヤツ』
 カウンターに置かれたメニューの飲み物の部を見てみると、右ハジのいきなり最初に『レモンサワー』が書いてあってお値段490円! ウッソ、高けェ~!! アドろ気つつ、よく見ると、メニューの右上の角が折れていて、その折れた角に“塩”という文字が隠れていた。

『塩レモンサワー/490円』……あ、これは手が掛かってるサワーだからね。高くて当然だ。そして当然、それは無視して、そこから視線をツツ~ッと左の方に移してゆく。『サッポロ黒ラベル生/490円』なんていうビールのグループの更に左に、『酎ハイ』のグループがあって、その初っぱなに書いてあったのが『プレーン/390円』。いわゆるレモン味とかなんも無しのシンプル酎ハイですね。これをオーダーする。

 さぁ、オツマミであるが、もうこれは串ってことに頭の中で決まっている。

 『厚切り牛タン/999円』『名物 茹でタン/999円』なんていう高額所得者の料理は、

「申し訳ございませんねェ…」

 という気持ちで目をつぶり、その横の全品199円であるはずの串部門に目を凝らす。

 牛串とタン串がそれぞれ3本ずつあった。

 牛が『牛バラ』『牛肩ロース』『牛ハラミ』そしてタン系が『柔らか葱間』『ネギ塩』『ニンニクの芽』。

 どれにするか悩んでいると、酎ハイとお通しが届く。お通しは、大根の薄切りと塩昆布が微かに薄茶色に染まった漬物。薄口正油かなんかで漬けてあるんだろうか? 酎ハイを一口飲んでから、その漬物を一切れ、口に放り込む。奥歯で大根を噛んでみれば、

「バリバリッ」

 なんつう心地よい音がして……刹那に口中に広がる大根独特の甘みと香り、そして仄かな正油の香り! オオオオ~ッ、これうまいぞ、この漬物!

 あ~この漬物の小鉢だけで酎ハイ3杯いけちゃうな~と思うも、いやいや、こういう漬物こそ、串の合間にポリポリ喰うのが一番イイに違いないと気づき、串オーダーの脳味噌を早くしないととフル回転でメニューを今一度眺め、『牛ハラミ』と『ネギ塩』を注文する。

 その串物が焼き上がるまでは、節約気味に漬物喰いつつ、酎ハイを煽る。うわ~うまいな~これ。なんか最近、やっと漬物の良さが判ってきた気がする。小学校の時なんか好きでもなんでもなかったのにな~。

 そして御牛様のご登場となる!!

『感嘆と絶頂の串ンフォニー来る』
 串は2本とも、4×3センチ程の肉が2枚ずつ串に刺さっている。

 牛ハラミの方が、タレが掛かっている牛串としてはノーマルタイプなんだけど、見た目からして、

「手が込んでる!」

 と感嘆したのが、タンのネギ塩! 炙られた牛タンの上に、まずはミジン切りのネギが含有された粘度のあるネギ塩ダレがかかっていて、さらに! その上にはフライドオニオン……オニオンでなくて揚げ葱かもしれないけど、それが振りかけられている。

 貧乏性なんで肉一切れを一口で食べることはできず、一切れを半分に歯で噛みちぎりつつ、その半分を味わう……もうさ、炙った牛タンがウマイってことは端ッからわかってたけど、そこに塩ダレに入ってるネギ独特の香りが広がり、そしてフライドオニオンの香ばしさがさらに牛タンの旨味を倍増させる!

 ここで普通ならば、追っかけるように酎ハイを呑んで「ク~ッたまらん!」とか言っちゃうところだけど、ここまでくると、もうその旨味をズッと口の中で感じていたいんで、酒は飲まずに延々と肉を噛み噛みしながら、その余韻を味わう。

 至福!!

 そして口の中から味がなくなったところで、おもむろに酎ハイを呑む。

「オァァァァァァ……」

 喉の奥から、絞り出るような歓喜の声が自然と湧き出る。

 そして漬物を一切れいく……どうせ死ぬなら今死にたい! そのくらいいい気持ち!

 肉を食べる順番的には、タンを全部食べてから、ハラミに移行した方がいいんだろうけど、味見的な意味合いで、ハラミのほうも同じように半切れ頬張る。

 噛んだ瞬間、もう肉汁大洪水! その洪水ジュースを少しずつ喉の奥に流し込みながら、できる限り長時間に渡って味の余韻を楽しむ、この素晴らしきひととき!!

 いつもの一人呑みなら、この串2本に酒三杯くらいで軽く出ちゃうところだけど、もうこの店は他のモノもうまいに違いない! と、さすがに999円メニューはいかなかったけど、串を堪能しきった後に『牛タンガーリックポン酢/499円』をオーダーするというオレの一人呑みには珍しい大盤振る舞い!!

 これがスライスオニオンの上に、拍子切りの茹でタンが乗り、ポン酢がかかり、青ネギとフライドオニオンがトッピングされた、うまいに決まってるヤツ。

 さらにだ! この店、店内BGMが80年代歌謡曲で、嶋大輔の『男の勲章』とかかかったりすんの。

 結論・生きててよかった!!

文/カーツさとう

@DIME編集部

最終更新:4/1(日) 12:30
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