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スマホの次はEVで敗北?中国が仕掛ける「ゲームチェンジ」を侮るな

4/5(木) 6:00配信

ダイヤモンド・オンライン

 2018年1月、ラスベガスで行われた家電見本市のCESで、中国ベンチャー企業の電気自動車(EV)のコンセプトカー「BYTON(バイトン)」が発表された。

 巨大なスクリーンや運転手の顔認証システム、5Gを活用した自動運転など見るものの心を躍らせるような仕掛けが多く施され、大きな注目を浴びたのが記憶に新しい。

 こうした中国スタートアップ企業による大々的な発表の裏側には、中国政府が国策としてEV導入を推進していることがある。その背景として大気汚染の防止などの理由が挙げられるが、ビジネスの視点から見たとき本当に重要なのはそこではない。

 重要なのは、EVの特徴として挙げられる「部品点数がガソリン車と比べて圧倒的に少ないこと」「製造業以外プレーヤーの事業機会」など、従来のノウハウに囚われず新規参入しやすい点。それらを背景に、これまで日本や欧米メーカーがメインプレーヤーだった、ガソリン車を中心とする自動車市場に「ゲームチェンジ」を起こそうとしていることだ。

 本稿では、「EV市場」という新たなフィールドの勃興を通じて、中国勢が狙うゲームチェンジの構造と、そこから日本企業が取り組むべき課題について提言していきたい。

● 投資対象の半分以上が「中国スタートアップ」

 「投資案件の半分以上が中国企業、さらにその7~8割がEV関連企業です」

 これは、筆者がマネージング・パートナーを務める、シリコンバレー発のアジア系ベンチャーキャピタル「トランスリンク・キャピタル」で毎週行われている、投資案件検討ミーティングの一コマだ。

 このミーティングでは毎週20件あまりの投資対象が議論に挙がるが、ここのところ中国スタートアップ、特にEV関連企業が占める割合が急拡大している。そしてこれは、投資現場における局地的な話ではなく、世界的なトレンドでもある。

 富士経済の調査によると、2016年におけるEV市場規模は前年比38.2%増となる47万台だ。その中でも、中国は前年比60%増の24万台と世界一のEV市場規模となっている。

 対する日本はというと、日産自動車の「リーフ」が累計約30万台販売されたことや、トヨタがEV開発を本格化させるなどの発表が続いており、健闘しているように見える。だが、これまで水素を燃料とする燃料電池車(FCV)の開発に注力してきたことや、政策支援の規模も小さいことから、EV化への対応は遅れていると言わざるを得ない。

● 官民一体で仕掛ける中国

 なぜ、中国と日本の間にこのような違いが生まれてしまっているのだろうか。その答えの一つに、EV普及に向けた中国政府による強力な後押しがある。

 中国政府は「第13次五カ年計画(2016~2020年)」において、2020年までに500万台のEV/PHV(プラグインハイブリッド車)を普及させる目標を立てた。そのため購入者や製造事業社への補助金支給や、充電ステーションなど設備への投資を積極的に展開している。

 北京では大気汚染や渋滞を避けるべく、ナンバープレートの発行を抽選式にすることで自動車購入を制限している。しかしEVは規制の対象外となっており、高い確率で取得できるなどの支援を行った。

 補助金の不正受給が相次いだことにより、中国政府は2018年2月に自動車メーカーに対する補助金の3割減額を発表しているが、それでも日本における補助金額とはケタ違いだ。事実、2016年度における日本のクリーンエネルギー自動車導入促進対策費補助金の予算額は137億円なのに対して、中国の補助総額は2000億円相当と推定されている。

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