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日本の「高度人材は不要。単純労働者だけ歓迎」は正気の沙汰じゃない

4/7(土) 11:37配信

ニューズウィーク日本版

<「奴隷制度」とまで批判される日本の外国人技能実習制度。右も左も外国人移民の受け入れに反対するが、世界の潮流に逆行している>

こんにちは、新宿案内人の李小牧です。

最近、外国人技能実習生に関するトラブルが噴出している。つい先日も十分な説明のないまま、福島県で除染作業をさせられたベトナム人実習生の存在が報じられた。

岐阜県の盗撮疑惑事件で垣間見えた、外国人技能実習制度の闇

少子高齢化に苦しむ日本は移民社会へと転換しつつある。実際、日本で生活していても外国人を見ない日はないのではないか。地域により多少の差があるとはいえ、コンビニや居酒屋などのアルバイトは多くが外国人だし、子供を連れて公園に行くと外国人の親子をよく目にする。

日本で生まれ育った外国人も多い。今年、東京都新宿区の成人式では45.8%が外国人だったという。私も成人式帰りの外国人新成年を目にしたが、日本人と同じく嬉しそうに振り袖を着て歩く女性の姿が印象的だった。

なぜか日本では移民受け入れの議論はタブー

現実はすでに移民国家へと移行しつつあるのに対し、なぜか日本では移民受け入れの議論はタブーのようだ。あらゆる論点で対立し合う保守と左翼も、「外国人移民の受け入れ拒否」だけは同意見であるように思える。

政府も企業も外国人労働力は必須であることは理解しているにもかかわらず、表向きは反対姿勢を示さなければならない。だから「奴隷制度」と揶揄されるような、問題が多い技能実習制度も改革しようとしないのだろう。

先日、「岐阜県の盗撮疑惑事件で垣間見えた、外国人技能実習制度の闇」というコラムを発表した。岐阜県大垣市の企業で働く中国人女性技能実習生が、寮の浴室で監視カメラを発見したが、企業も警察も取り合ってくれなかったという事件だ。

彼女たちの助けを求めるメッセージを受けて私は現地を取材、中国メディアにも状況を伝えた。最初はまったく取り合うそぶりを見せなかった企業、警察は慌てて動き出した。警察が監視カメラを調べたところ、確かに実習生が着替える姿がカメラ内に残されていた。

これを受け、事件は正式に立件された。あとは犯人が早く捕まることを祈るばかりだ。

もっとも、この大垣市の一件で改めて気づかされたのが、技能実習生が置かれた劣悪な環境だ。賃金が安く、仕事時間が長いだけではない。ぼろぼろの寮、土が出てくる水道など住環境も劣悪ならば、来日前にブローカーに金を渡して前借金を作っているケースも多い。現代の奴隷貿易と批判されるのも不思議ではない。

こうしたひどい制度が存続している背景には、「外国人労働力は必要だが、単純作業だけやってくれればいい。数年働いたら帰国してほしい」という日本社会の都合のよい考えがある。

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