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よく聞く大ケガ「前十字靱帯断裂」。先進ドイツはどう対処しているか

4/9(月) 7:50配信

webスポルティーバ

「サッカー選手につきもの」といわれるケガの中でも、ほぼ決まって長期離脱を強いられてしまう重傷のひとつが、前十字靱帯(ぜんじゅうじじんたい)の断裂(損傷)だ。現在のブンデスリーガ1部でも、6人もの選手がこの負傷からの復帰を目指してリハビリに励んでいる。

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 ブンデスリーガ所属選手の負傷に関する1万件以上のデータ(2009年以降のもの)を取りまとめたウェブサイト『Fussballverletzungen.com』によると、ヒザの前十字靱帯を断裂した選手は、負傷から平均239.7日後、つまり7~8カ月後にはグラウンドへのカムバックを果たしているという。

 2015年夏、アーセナルからブンデスリーガ2部ザンクトパウリへ移籍した宮市亮は、加入直後に左ヒザの同箇所を負傷しており、やはりこのデータのように、練習再開まで約8カ月の期間を要している。

 不運にも彼は、今シーズン開幕前にも右ヒザの前十字靱帯断裂を負い、そこから約5カ月が経過した12月7日、ボールを使ったトレーニングを始めたことを自身のインスタグラムで公表。そして今年の2月上旬には、チーム練習へ部分的にではあるが合流を果たしている。

 一方で、2015-16シーズンに前十字靭帯を断裂したボルシアMGのパトリック・ヘアマンは、たった133日で公式戦のメンバー入りを果たし、また、当時レアル・マドリードでプレーしていたサミ・ケディラも、2013年11月に同じ悲劇に見舞われながら、6カ月を待たずに復帰している。

 しかし先述の『Fussballverletzungen.com』のデータに照らし合わせれば、宮市の復帰ペースは順調そのものであり、ヘアマンやケディラのようなケースのほうが、むしろ異例なのだろう。

 昨年末、ドイツ誌『シュピーゲル』のオンライン版に「アマチュアとプロ、2つの十字靱帯を比較」というタイトルの記事が掲載された。これは、「前十字靱帯断裂を負った場合、なぜアマチュアおよび草サッカーの選手は、復帰までにプロ選手の倍近くの日数を要するのか」というところに焦点を当てたものだ。

 ここで登場するのは、ハンブルク・エッペンドルフ大学医療センターのスポーツ医学部長と、ハンブルガーSVのチームドクターを兼務しているゲッツ・ヴェルシュ医師。彼はシュピーゲル誌の取材に対し、“負傷から治療開始までの時間“が、復帰時期の違いに決定的な影響を及ぼすことを明かしている。

 今シーズン開幕戦でハンブルガーの先制点を記録したニコライ・ミュラーは、そのゴールパフォーマンスの回転ジャンプで前十字靱帯を断裂するという災難に見舞われた。彼のケースでは、理学療法士が負傷直後からアイシングと患部の固定に徹し、試合終了後すぐにヴェルシュ医師が診察。負傷から3時間後には病院でMRI検査を受け、2日後に手術を受けている。

「アマチュアや草サッカーでは、こんなに早く手術を受けられることはない。今回のミュラーのように、土曜の試合で前十字靱帯を断裂したとしよう。すると、その選手が病院に行けるのは最も早くて月曜日だ。そこでMRIの予約を入れ、実際に検査を受けられるのは早くて水曜日。順調にいったとして、その結果が出るのは木曜になってしまう。

 そして多くの場合、専門の医師による適切な治療が行なわれることはないため、その間にむくみや腫れが生じてしまい、結果的にメスを入れるのが不可能になる。もし患部が腫れてしまったら、それが収まるまで最低でも4週間は待たなければならない」

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