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ハリル解任会見での違和感。なぜ「目指すサッカー」は語られないのか

4/10(火) 17:40配信

webスポルティーバ

 日本代表監督交代。「代える」という判断は間違っていないと思う。

 コンディションを重視すべき選手と、コンディションが少々悪くても選んでおかなければならない選手とが共存するのが、代表チームの本来の像だ。にもかかわらず、ハリルホジッチはコンディションというフィルターを選手全員にあてがった。

【写真】杉山氏も主張していたハリル解任。信頼は失墜し、カオス状態だった

 選手起用は場当たり的になりがちだ。2018年のW杯本番から逆算する目を欠き、ストーリー性も脆弱になる。それに好き嫌いが見透けてしまう選手選考も加われば、23人枠を巡る争いは、悪い意味で混沌とする。

 標榜する「縦に速いサッカー」(よく言えば)と、日本サッカーとの相性の悪さもある。その論理的な矛盾と効率性の悪さが表面化していることも混乱に輪をかけた。よいサッカーか悪いサッカーかと言えば、後者だ。

 さらに、このサッカーでW杯本大会に臨めば大丈夫だとの自信が、監督自身に見られないこと。居丈高な態度を取る一方で、弱気な言動が目立ち始めたこと。代表監督に不可欠なカリスマ性が失われてしまったこと……。

 これだけ交代の条件が揃ったにもかかわらず、「代えない」という選択をするなら、そもそも監督の是非を論じる議論は不要になる。

 交代は当然。残り2カ月という段になっての交代という時期的な問題はあるが、逆に言えば、問題はそこだけだった。

 解任会見で田嶋幸三サッカー協会会長は、コミュニケーションや摩擦の問題を挙げた。これだけ問題を抱えれば、その手のトラブルが起きていないほうがおかしい。とうの昔から起きていたに違いないが、表面化しなかったにすぎないと考えるのが自然だ。

 マリ戦、ウクライナ戦後、それは決定的なものになった。残り2カ月の段階で監督交代に踏み切った一番の理由だと田嶋会長は述べたが、それはかなり都合のいい話に聞こえる。解任の遅れをカモフラージュする方便のように聞こえる。マリ戦、ウクライナ戦の前に決断できたはずなのだ。

 昨年12月の東アジアE-1選手権で、北朝鮮、中国に苦戦。そして韓国に1-4で敗れた段階で、実行するべきだった。この段階ならば、西野朗さんの内部昇格以外にも道は残されていた。代理や代行ではない、本格的な名のある人物を招聘できたはずだ。田嶋会長も会見で、「名を明かすことはできないが、実際に候補者はいた」と述べている。

 そのチャンスの芽を摘んだのは協会自身だ。マリ戦、ウクライナ戦を経て事態が改善されなければ、残された道は内部昇格しかない……との判断は、昨年12月の時点で下されていたわけで、それは強力な監督の招聘を、そのときすでに断念していたことの証になる。いま断念したわけではないのだ。

 そもそも田嶋会長、西野技術委員長にまつわる不安は、監督探しにあった。

 アルベルト・ザッケローニ、ハビエル・アギーレ、ヴァイッド・ハリルホジッチの3人は、原博実前専務理事(現Jリーグ副理事長)と霜田正浩前技術委員長(現レノファ山口監督)のコンビで見つけ出してきた監督だ。「攻撃的サッカー」という原さんが好むコンセプトに基づき、招聘された監督だ。

 日本代表監督探しは、それまで代々、身近なところから選ばれてきた。岡田武史、ジーコ、イビチャ・オシム。その前のフィリップ・トルシエは、アーセン・ベンゲル経由で辿り着いた人物とされるが、ひとつのサッカーのコンセプトに基づいて監督探しを始めたのは、原さんが初めてだった。

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