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1400勝達成の「羽生善治竜王」本誌に語っていた勝利の法則

4/14(土) 11:03配信

SmartFLASH

 将棋棋士の羽生善治竜王が4月12日の名人戦七番勝負第一局で佐藤天彦名人に勝利し、公式戦通算1400勝を達成した。故大山康晴の1433勝に続き、史上2人目となる歴史的快挙だ。

 対局後の会見で羽生は「1つの目標としてやってきたので、今日達成できてよかった」と話した。

 ここ10年以上、名人戦の優勝者は3人しかいない。現在の佐藤天彦名人、森内俊之九段、そして今回は挑戦者である羽生竜王だ。

 森内と羽生は小学校時代から競い合った同期で、名人戦では9回も戦った因縁深いライバル。そして、羽生は2016年、佐藤に名人の座を奪われ、今回はリベンジ戦になる。

 永世七冠に1400勝と将棋界における記録を次々に塗り替えて羽生は、かつて本誌に自身の将棋観や勝利への法則を語っている。

 子供の頃は、将棋一色かと思えばそうでもなかったらしい。「漫画とか、子供のときは普通に読みましたよ。当時人気があった『ドラえもん』とか『あしたのジョー』とか『銀河鉄道999』とか。ガンダムも一番最初の頃に見てました」

 小学校時代は平日学校、週末は将棋道場という生活だった。

「親が買い物に行ってる2時間だけ道場に行けて、20局とか30局とか対戦してました。子供なんで、考えずにただひたすら駒を動かして。もうとにかく何でもいいから動かしたいっていう感じ」

 その後、プロ養成の奨励会に入ると、厳しい環境が待っていた。

「毎月1人また1人と同期の人や先輩がいなくなっていくんです。だから真面目にやらなきゃと思ったし、10代前半の頃は勝ちたいという気持ちがすごく強かった。プロにならなければいけないという雰囲気が、厳然としてあったんです」

 プロへの道は険しい。四段からプロになるのだが、三段の数十人の中から四段に上がれるのは半年間で2人だけ。年間で4人しかプロになれない。

 プロになった後も、一筋縄では行かなかった。相手は子供相手に小細工を弄してくる。

「(相手が)飛車と角をわざと反対に並べて、あ、間違えたかとか言って。ちょっとボケてると思わせておいて油断させるとか。でも毎回やってるからバレバレで、またこの先生やってる(笑)って思ってました」

 そんな猛者たちの中を勝ち抜いてきた羽生は、「不利なときのほうが気楽」という。

「形勢が悪いときのほうが、開き直っていこうって思えるときがあるんです。逆に有利なときのほうが、手堅くいこうとかこのまま維持しようとか思うんで……ミスすることによって、今まであった蓄積を全部捨て去って次にいけるっていうのがある。気持ちの持ちようひとつによって、選択がガラッと変わることはあります」

 名人戦の持ち時間は9時間。対局が終わると3kgも体重が減るとも言われる。羽生は、そうした過酷な戦いの後は、勝っても負けてもすぐに寝てしまう。

「もうその日のことを区切っちゃう。やけ酒はよくないですよ。飲むからには楽しいお酒を飲まないと(笑)」

 寝て忘れることが羽生の強さの秘密だったのだ。

最終更新:4/14(土) 11:03
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