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ハリル氏解任にみる、「牽引型リーダー」の日本における限界

4/15(日) 6:00配信

ダイヤモンド・オンライン

 ハリルホジッチ監督の電撃解任を経て、4月12日、日本サッカー協会は都内で、新たに日本代表監督に就任した西野朗氏の記者会見を開催した。この会見での発言から、西野氏の代表監督としての狙い、西野ジャパンの今後を占ってみたい。

● 世界基準の理想と現場のギャップ

 ワールドカップ本大会の開幕まで残りおよそ2ヵ月というタイミング。ハリルホジッチ氏の解任を経て行われた会見で、西野氏は厳しい面持ちを崩さなかった。

 メディアがぎっしり集まった会見場で西野氏は冒頭、「ハリル氏の後任として日本代表監督を受けることにしました。2年前に技術委員長に就任して精一杯代表チームのサポートをしてきたが、最終的にこのような状況になり、代表監督を引き受けたということで責任を感じている。精一杯チーム作りをしていきたい覚悟です」と不退転の決意を示した。

 本大会直前の監督解任に対しては、さまざまな背景が報道されている。今回の西野氏の言葉からはっきり浮かんだのは、ハリル氏の高い理想と、選手の能力とのギャップだ。

 西野氏はこれまでの日本代表チームについて、「世界基準を知った上で、日本代表は次のステージに進めなかったというところで、ハリル氏は、非常に高いデュエル、縦への攻撃、ということを求めてきた。内容に関しては非常に高度なもので、それを選手に要求していた。それは間違いなく日本のサッカーにとって必要なことでした」としたうえで、「一対一でパワーを要求したいけれども、体格、フィジカルで戦えないものがあるので、別の角度から対応していく。もちろん、必要なものは継続していきます」と、ハリル・ジャパンのやり方をそのまま継承するわけではないことを示した。

 かねてから日本のサッカーが突破できなかった課題を、ハリル氏は果敢に突破しようと試みてきた。しかし、ハリル氏の理想に対し、選手の能力面の乖離が埋まらない状況で、日本サッカー協会はついに決断に至った。

 能力面での乖離は、心理面での乖離も生んだ。ハリル氏が指揮を執る中で、西野氏は選手たちとハリル氏のギャップを埋めるべくコミュニケーションをとってきたという。

 「選手たちの状況、心理的なところはハリル氏には伝えて、日本人選手のDNAというところは、技術委員長として間に入りながらやってきた。その辺のギャップがなかなか埋められない、選手たちが追いつこうとしても要求に応えられないということはありました。チームとしてバランスよく機能していたかというと、その辺のわずかな差があったのではないか」と振り返る。

 高い理想を掲げるハリル氏の牽引型リーダーシップは、時間とともに選手との距離が開き、心理的な距離が生まれ、ハリル氏は指揮官として孤立した。西野氏のサポートもあったようだが、時間とともに修復不可能な状況になっていったのだろう。

● 日本らしさをとりもどす

 このような状況で日本代表はどの方向に舵を切るのか。西野氏は、従来からの日本代表らしさを取り戻していく方針だ。連携や俊敏性などを特徴とする従来の日本サッカーをベースに、個人の能力を発揮できる環境作りを重視する。

 「技術を生かしたり、規律、組織の結束、化学反応を起こしていく強さ、そういうものをベースにした上でチームを構築していく必要がある。選手が自分のプレー、パフォーマンスを素直に代表チームで発揮できるように。クラブでプレーしているものをストレートに出せる状況を作りたいと思います」

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