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上原浩治のピッチングが、野手から好かれる理由

4/16(月) 13:00配信

現代ビジネス

投げっぷりの良さ

 まさに「凱旋登板」そのものでした。メジャーリーグから10年ぶりに巨人に復帰した上原浩治投手は東京ドームでの、阪神相手の開幕2、3戦目に登板し、パーフェクトリリーフを演じました。

 改めて感じたのは投げっぷりの良さです。昔の表現で恐縮ですが、“千切っては投げ、千切っては投げ”というスピード感あふれるマウンドでした。

 上原投手が渡米する際、彼より6年前に海を渡り、ヤンキース入りしていた松井秀喜選手に、上原投手のピッチングについて伺ったことがあります。

 松井選手は「上原は投げるテンポがいい。ああいう選手は野手に好かれる。特にメジャーリーグの野手は、リズムやテンポのいいピッチャーを好む。活躍すると思いますよ」と言いました。

 上原投手がメジャーリーグで本領を発揮したのはリリーフに転向してからでした。レッドソックス時代の2013年には73試合に登板し、4勝2敗21セーブ、防御率1.09の好成績で名門のワールドシリーズ制覇に貢献しました。リーグチャンピオンシップでは1勝3セーブをあげ、MVPにも輝きました。

 「投げっぷりのいいピッチャーは守りやすい」。こんな話を聞いたことがあります。言葉の主は中日や阪急で活躍した島谷金二さんです。サードで4度のゴールデングラブ賞に輝いています。

 島谷さんの中日、阪急時代のチームメイトに松本幸行さんというサウスポーがいました。この人こそ“千切っては投げ、千切っては投げ”の代表格で、彼の投げた日は「試合が早く終わる」ことで有名でした。

 といっても、単なる“異能派”ではありません。1974年には20勝をあげ、最多勝と最高勝率に輝き、中日の20年ぶりのリーグ優勝に貢献しました。“巨人のV10を止めた男”としても有名です。

 さて松本さんの投球間隔は、どれくらい短かったのでしょう。島谷さんの話です。

 「キャッチャーが構えた時には、もう投球動作に入っていた。しかもコントロールがいいから守りやすい。そう言うと、適当に投げているように思われるかもしれないけど、彼にすれば先の先まで読んでいたんだろうね。

 バッターは打ちにくかったと思うよ。考えるヒマがないことに加え、手元でシンカーやスライダーが微妙に変化する。こっちとしては最悪の場面に備え、引っ掛けた打球で三塁線だけは抜かれないように注意していた。

 長打さえ警戒しておけば、そうそう連打はくらわなかったからね。試合時間も短いから、お客さんも喜んでくれたんじゃないかな」

 島谷さんに上原のピッチングに対する感想も聞いてみました。

 「ここ数年の巨人はプレーが途切れた時の空気が重いような印象があった。あれは(守っている側は)意外にしんどいんだよ。上原はそんな空気を一掃してくれるんじゃないかな。(上原が投げている時は)守っている選手たちが生き生きして見えるよね」

二宮 清純

最終更新:4/16(月) 13:00
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