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大切なのは仕事より、お金より、友人 『広く弱くつながって生きる』著者 佐々木俊尚インタビュー<広く弱くつながって生きる>

4/17(火) 12:11配信

幻冬舎plus

佐々木 俊尚(作家・ジャーナリスト)

 3月29日に新書『広く弱くつながって生きる』を上梓した佐々木俊尚さん。
「誰かが少しだけでも助けてくれる」という安心感を得られる生き方とは? 
人付き合いや関係性で消耗している人をホッとさせる、至言がいっぱいのインタビューが届きました。
(文・写真:川内イオ)

助けてくれる人がどれだけいるか、が大事

 ―佐々木さんは新著で、現代の日本の息苦しさの理由として昭和的な「濃く狭く強い人間関係」を挙げていますね。
その昭和的な人間関係がリスクになると考えていますか? 

 佐々木 会社のようなヒエラルキーの組織にいると、絡めとられるような「濃く狭く強い人間関係」からは逃れられません。
僕が毎日新聞の記者をしていた20世紀には、会社というのはそういうものだと思われていたし、当時は濃密な人間関係に疑問を感じていた人はいなかったと思います。
それは終身雇用に支えられていたからで、定年まで面倒を見てもらえるという安心感があったから、面倒な人間関係やきつい労働も我慢できた。
会社が潰れたり、リストラされる可能性もある現代の日本では、昭和的な人間関係にどっぷりと浸かっているのはハイリスクローリターンだと感じます。
滅私奉公しても会社が守ってくれる保証もなく、放り出された時に何が残るのか。
人間関係を社内で完結したまま年を重ねると、気づいた時には友だちも社内にしかいないという状況に陥りがちです。
長い間同じ環境にいるとそれが当たり前になり、外側を知らないので、なにがリスクなのかすらわからない状態になることも問題ですね。
いわば、茹でガエル状態です。
そういう人は、リストラや定年後など自分と会社との関係が切れた時に、助けてくれる人がどれだけいるか、想像してみるといいでしょう。

 
―新著には、そのようなリスクから逃れて、自分の世界を拡げるために「浅く、広く、弱い」人間関係が必要だと書かれています。

 佐々木 はい。「浅く、広く、弱い」人間関係は、今まで実直に働いてきた人が、先の読めないこれからの時代を生き延びていためのサバイバルの手法になると考えています。
僕は2003年に独立しましたが、2008年頃に起きた出版不況で仕事が大きく減ってしまったことがありました。
それまでは業界内のコミュニティ内で仕事がなんとなくまわっていたのですが、そのコミュニティが崩壊してしまい、そこから生きていくための試行錯誤が始まりました。
そういう経験を経て、困った状態になった時に手を差し伸べてくれる友人や知人が大切だと気付いたのです。
実際、職業や年齢を問わず、自分が「いいな」と思う人と積極的に友好関係を築くようにすると、それぞれは小さいながらも多様な仕事の依頼がくるようになりました。

 
―昭和的な人間関係でも助けてくれる人はいるでしょうが、同じ会社、同じ業界では共倒れになる可能性がありますね。
「浅く、広く、弱い」人間関係がセーフティーネットになるというイメージでしょうか? 

 佐々木 そうですね。経済状況や災害だけでなく、これからはAIやロボットに仕事を奪われるという話もあります。
今後、なんの仕事が生き残るのかは誰にもわからない時代に自分のスキルや専門分野を伸ばしていても、その分野が消滅する可能性もあります。
それなら、人間関係にウエイトを置いて、その幅広いつながりのなかでいろいろな仕事をたくさんやって人生が成立するようにしたほうが、これからの時代を生き残ることができるのかなと考えています。

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最終更新:4/20(金) 21:26
幻冬舎plus