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吉高由里子、初めての殺人事件に大奔走 『正義のセ』で描かれた“親の想いと子の本心”

4/19(木) 16:37配信

リアルサウンド

「前に進めない」。

 4月18日に放送された『正義のセ』(日本テレビ系)の第2話。物語は、2年目の駆け出し検事・竹村凜々子(吉高由里子)が、初めての殺人事件を任されることから始まる。その事件は、横浜市永田区みなみ台の住宅で妻が夫を花瓶で殴って殺害したというもの。被疑者は48歳の主婦・町田かれん(財前直見)、殺害されたのは会社役員の夫・義之(大澄賢也)。

『正義のセ』第2話を画像で振り返る

 殺人事件は、被害者から話を聴くことができないため、被疑者の取り調べが最重要になってくる。故意かどうかで刑の重さがだいぶ変わってくるからだ。殺すつもりで殺した殺人罪の場合、死刑または無期もしくは5年以上の懲役となり、殺すつもりがなく殺してしまった傷害致死罪の場合、3年以上20年以下の懲役になる。加えて、たとえ殺意があって殺害したのが明らかであっても、被疑者の自白が取れなければ殺人罪での起訴は難しいという。

 被疑者の町田かれんは、当初「夫から手を上げられそうになったから、とっさに抵抗しただけで……」「結婚して25年……。うちはうまくいってたんです」と傷害致死罪を訴えていた。しかし、凜々子と事務官の相原勉(安田顕)が事件の調査を進めていくうちに、彼女が吐いていた嘘と真実が明らかになっていく。

 そのカギを握っていたのが、1年前に家を出て行ったきり、一切連絡を取っていないという町田かれんの19歳になる娘・まりあ(矢作穂香)である。幼い頃から父親が母親に暴力を振るう姿を目撃してきたまりあ。「何であんなお父さんと別れないの?」と訴えかけても、「お父さんだって、いつも怒ってるわけじゃないし」と変える気がなく、「うちの家族はうまくいってる」とごまかし続ける母親にも耐えられなくなり、家を飛び出したという。まりあは1年経った今でも、“前に進まない”母親だと思っていた。

 しかし、町田かれんは、そんな1人で頑張っている娘まりあの姿をSNSで見つけて、「自分も自分の人生をしっかり歩まなきゃ」と“前に進む”決意をしていた。専業主婦で働いた経験がない中、必死で就職先を探し、やっとスーパーの内定をもらったほど、この1年間で大きく前進していたのである。冒頭で凜々子と彼氏の中牟田優希(大野拓朗)が、パクチーについて話していたときの言葉「やっぱ1年も離れてると知らないこともあるもんだね」を思い出す。1年でパクチーが食べられるようになっていたように、人は少なからず変わっているのである。

 また、近くにいたとしても、相手の知らない部分はあるはずだ。たとえば、“本心”は見えにくいことがある。凜々子の妹・温子(広瀬アリス)が実家の豆腐屋を継ぐと言った際に、父・浩市(生瀬勝久)が「だからお前には無理だって言ってんだよ!」と反対し、喧嘩になっていた。浩市の本心は、娘が「継ぐ」と言ってくれたことが本当は嬉しくて仕方ない。だが、今の時代に豆腐屋を続けていくのは大変だからこそ、温子には苦労をかけたくないというものだった。浩市は、姉である凜々子が検事になったから、温子はこの豆腐屋を継がなければいけないという使命感で「継ぐ」と言ってくれたのだと思っていたのだろう。しかし、温子の本心は「本気でこの店を継ぎたい」であった。

 親が子を想う気持ちはとてつもなく大きくて深い。だからこそ、ときに子の本心を見失っている場合がある。町田かれんは幼い頃に両親が離婚したため、仕事で忙しい母に構ってもらえなかったという。「だから、まりあにはそんな寂しい思いはさせまい」「どんな父親でも両親が揃ってるほうがいい」と思い、夫から暴力を受けても離婚しなかったのだとか。気付かぬうちに、まりあの“ため”と思ってしていたことが、まりあの“せい”になっていた。結果、まりあがどんなに本心を叫んでも町田かれんの耳には入らず、無視し続けていたのだ。

 だが、子もまた親の想いに気づけないことがしばしばある。なんで?と疑問に思う親の言動が、実は子のためだったということも少なくない。まりあが1人で暮らすようになってから、「自分の力で生きていくのって本当に大変。もし子供がいたりしたらもっと大変なんだろうな」と母親の気持ちが少しだけわかったように。どんなに離れていてもすれ違ってしまっても、親子はつながっている。だからこそ、親の想いに子が気付き、子の本心に親が気づいたとき、今まで以上に私たちは前に進めるようになるのかもしれない。

 まりあが本心を綴った手紙を読んだことで、自分のしたことを認め、罪を償うことを決意した町田かれん。夫を殺す直前に「あなたといると……前に進めない!」と言っていた彼女だが、懲役10年を経て外に出たとき、娘のまりあとともに前に進むことはできるのだろうか。凜々子の言葉「自分のしたことを認めなければ、前へ進めませんから」が、彼女たちの未来を示唆しているのかもしれない。

戸塚安友奈

最終更新:4/19(木) 16:37
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