ここから本文です

「性格は気候に影響される」の意味することとは

4/22(日) 12:21配信

WIRED.jp

1748年、フランスの哲学者・モンテスキューは『法の精神』を出版した。政治体制を調査分析したこの本のなかで、彼は権力分立と市民のデュープロセス(法の適正な手続き)に関する権利を論じている。同書はすぐに他言語に翻訳され、彼の自由に対する考え方はアメリカ合衆国憲法の枠組みにも大きな影響を与えた。

性格は「地域の気候」に影響される?

この『法の精神』のなかの租税について論じたパートと奴隷制について考察したパートの間で、モンテスキューは気候がどう人間社会の形成に役立ったかについて理論を立てている。当時の医学知識に基づき、彼は冷たい空気が“繊維(ファイバー)”を収縮させ、血流も増加させると考えていた。一方、暖かい空気はこの繊維を緩めるとしている。

「それゆえ、寒い風土の人々は勇敢である」と、彼は書いている。「この強さにおける優位性はさまざまな影響を与えるだろう。たとえば、人はより大胆に、つまり勇気をもつようになる。また、優越感もより強く感じるようになる」

「性格は気候の影響を受ける」という研究結果

モンテスキューの時代から2世紀以上たったいま、「気候が人の性格をかたちづくる」という考えが、現代医学からの支持を集め始めている。

17年11月に学術誌『Nature Human Behaviour』で発表された報告書[PDFファイル]は、周辺温度を個人の性格に影響する「極めて重要」な要因だとしている。論文を発表したのは、中国やオーストラリア、英国、米国を拠点とする心理学者たちだ。

彼らは、快適な気温(22℃前後)で育った人々が、極端な気温のなかで育った人々に比べて、社交性や安定性(協調性や統制性、情緒的安定性)、自己成長や可塑性(外向性や開放性)に関する性格因子で高いスコアを記録することを発見した。

気候の変化による性格の変化の度合いは「今後の調査を待つ」としながらも、この報告書はこのまま気候変動が続けば「人間の性格の変化も観察されるかもしれない」と締めくくられている。

1/5ページ

最終更新:4/22(日) 12:21
WIRED.jp

記事提供社からのご案内(外部サイト)

『WIRED Vol.30』

コンデナスト・ジャパン

2017年12月9日発売

630円(税込み)

『WIRED』VOL.30「Identity デジタル時代のダイヴァーシティ 〈わたし〉の未来」+ 別冊付録「未来のモビリティは、すでにここにある」