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もうパンダじゃない。「客寄せ松坂大輔」、熟練の投球にファン大熱狂

4/22(日) 8:40配信

webスポルティーバ

 試合前のブルペンでは、あり得ないほどボールが暴れていた。

 4月19日、ナゴヤドーム。今シーズン、2度目の先発を任されていた松坂大輔は、バッテリーを組むキャッチャーの大野奨太と試合前、途方に暮れていた。

■松坂大輔「去年の10月、ある施設で先生が肩をはめてくれたんです」

「ブルペンがあまりに最悪で、もう、どうしようかって(苦笑)。とりあえずマウンドに立ったら感覚的に何かが変わるかもしれないし、まずは1巡目、何が使えるかを見てみようということになって、試合に臨みました」

 初回、松坂はタイガースの高山俊、西岡剛、糸井嘉男の上位打線を3者凡退に抑えた。投じた15球のうち、ストレートが4球、スライダーが6球、チェンジアップが2球、カットボール、フォーク、カーブが1球ずつ。すべての球種を使って様子を探った。

「あれでなんとなく大丈夫かなという感じにはなったんですけど、2回、先頭の右バッター(ウィリン・ロサリオ)に真っすぐを当てちゃって……僕としてはあんな抜け方するとは思わなくて、ちょっとイヤだなと思いました。真っすぐに関しては、もうちょっと、腕が振れるようになればいいなぁって、そこはずっと思ってます」

 ストレートに関して、松坂はまだ手応えをつかめていない。それはキャンプのときから変わっていない。そういう状況でも、すかさず代わりのボールを見つけて、試合を組み立て直す。

 この日の軸はカットボール――それはランナーを置いてピンチを凌いだ2回、4回、7回のピッチングからもうかがえた。1点を失ってなお、ワンアウト一塁で7番の大山悠輔をショートゴロのダブルプレーに打ち取ったのは、アウトコースのカットボール。

 4回、ノーアウト満塁から福留孝介にショートゴロを打たせて、またもダブルプレーを奪ったのもアウトコースのカットボール。その間に三塁ランナーの生還を許してなお、ツーアウト三塁のピンチで糸原健斗をセカンドゴロに打ち取ったのも、インコースのカットボール。

 さらに7回、絶対に追加点を与えられないツーアウト満塁の土壇場で、代打の上本博紀を空振り三振に斬って取ったのも、アウトコースのカットボールだった。松坂は言った。

「真っすぐはカットで代用できると思ってるので、今日は右バッター、左バッター、インコースもアウトコースも両方、カットを使っていこうということにしたんです」

 ストレートは少なかったが、カットボールと合わせれば123球のうち67球と、半分以上は真っすぐ系で押し切ったことになる。この試合、ツーシーム系のボールを松坂は1球も投げていない。以前、動くボールについて、松坂がこう話していたことがあった。

「そりゃ、ボールを動かすのは、好きか嫌いかで言えば、嫌いですよ。それは昔から変わりません。でも、それと必要か必要じゃないかというのは別の問題です。今のボールを考えると、抑えるために何をしなきゃいけないかということは昔よりもさらに広げて考えなきゃいけない。その中で動くボールは選択肢のひとつだし、周りの人は力投派から技巧派になったとか言いますけど、そんな意識はない。僕はできることをやろうとしているだけですから……」

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