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ヨシュア・キミッヒというボランチの理想形にしてサイドバックの未来像

4/25(水) 12:15配信

footballista

すべてを可能にする、将来の選手のロールモデル

Joshua KIMMICH
ヨシュア・キミッヒ
1995.2.8(23歳) 176cm/70kg GERMANY


複数のポジションでワールドクラスのプレーができる突出したMF。だが、現在バイエルンとドイツ代表で任されているのは右SB。ドイツ発の分析サイト『Spielverlagerung(シュピールフェアラーゲルング)』は主張する――彼はSBの未来像であり、来たるべき未来の選手像を体現している、と。


文 MR
翻訳 鈴木達朗


「……そこには止むことなくチームメイトに指示を出し続ける、小さな“6番”(ドイツ語で守備的MF)の選手がいたんだ。彼が試合中ずっと仲間にコーチングする姿は、信じられないほどのものだった」

 ドイツサッカー連盟で働き、U-17ドイツ代表コーチも務めたマルセル・ルカッセンはヨシュア・キミッヒについて回想しながら、彼の特徴をそう描写した。ルカッセンはノルトライン・ベストファーレン州選抜とバーデン・ビュルテンベルク州選抜の試合を観察していて、彼に惹きつけられたのだった。ルカッセンはこうしてキミッヒを代表のアンダーカテゴリーに招集し、成長の手助けを続けた。仮にルカッセンがあの場にいなければ、派手なプレーをせず、線も細いこの選手は見過ごされていたかもしれない。キミッヒは当時から絶対的なまでに素晴らしいオールラウンドな能力を備えていながらも、それほど目立った選手ではなかったのだ。

お手本通りの“6番”

 キミッヒは生まれながらのボランチだ。ワールドクラスのSBについて書いているにもかかわらず、良い書き出しだろう? だが、キミッヒはボランチに必要なすべての能力を兼ね備えている。アグレッシブでダイナミックなボール奪取能力、完璧な空間管理能力、いつでもプレッシングに行ける体力と集中力、緻密にゲームを読んで理解する能力、それを伝えるコミュニケーション能力、クレバーなパス配給、トップレベルのポジショニング……これら全部を装備しているのだ。

 サッカーの試合中にキミッヒの頭の中で何が起きているのかは、彼の頭部の動きを見れば読み取れるだろう。(少なくとも彼が中盤の真ん中でプレーしている時)それはまるでプロペラのように回り続けている。彼は非常に高い頻度で肩越しに背後を見回しているのだ。さらに驚かされるのはそのスピード。彼が視線を送る速さは、まさに瞬きをするような一瞬だ。このことは、キミッヒがいかに高速のスピードで視覚情報を収集し、それを処理しているかを示している。

 本来なら、こういった選手はピッチの中央でプレーするものだ。そうすることでチームをオーガナイズし、ゲームをコントロールし、試合を形作ることができる。キミッヒは言うなれば、スワンジーのレオン・ブリットンとミランで活躍したジェンナーロ・ガットゥーゾ(現ミラン監督)を合わせたような選手だ。しかしながら、現在のバイエルンとドイツ代表にはMFに良い選手が集まっている一方、SBに関してはそうではない。加えて、キミッヒはSBとして最低限のスピードを兼ね備えている……こうして、この生まれながらボランチの才能を持った逸材はSBにコンバートされることになった。

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最終更新:4/25(水) 12:15
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