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「ライオンズ七不思議」だ。貧打の炭谷銀仁朗が3割バッターに変身の怪

4/25(水) 11:30配信

webスポルティーバ

 打率.375――。

2013年ドラフト1位で西武に入団した森友哉が今季、「強打の捕手」として躍動中だ。開幕戦から5番に座り、18試合74打席時点でリーグ2位の打率を残すだけでなく、守備面でもキャッチングやスローイングが向上し、首位をいくチームの原動力となっている(成績は4月24日昼時点)。

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「僕に森以上のバッティングをしろと言っても無理な話ですよ。そんなもんは僕自身も求めていないです」

 2017年、春季キャンプ前にそう話していたのが炭谷銀仁朗だ。8歳下、球界トップクラスの打力を誇る森との正捕手争いについて、どう感じているかと尋ねた際のことである。

 この年は開幕前に森が負傷し、本格的なレギュラー争いは翌年に持ち越された。そして今季、森が捕手として存在感を高めれば高めるほど、相対的に炭谷は影を薄めている。

 現在の西武は先発投手によって捕手を使い分け、エースの菊池雄星、ウルフ、先発6番手の榎田大樹と、配球で抑えていくタイプとは炭谷がコンビを組み、森は指名打者で出場する。一方、十亀剣、カスティーヨ、多和田真三郎と、力投タイプは森がリードする。ウルフが右ひじの故障で4月16日に登録抹消となり、さらに日程的に6連戦がここまで1度しかなく、炭谷はベンチを温める試合が増えている。

 高卒1年目の2006年開幕戦から先発マスクをかぶり、西武の投手陣を長らく牽引してきた炭谷は、打率こそ毎年1割台~2割台前半ながら、球界最高峰のスローイングとインサイドワーク、キャッチング、そしてコミュニケーション能力を兼ね備える「守りの捕手」としてレギュラーを張ってきた。

 そんな炭谷の前に颯爽(さっそう)と現れたのが、2013年ドラフト1位で指名された「打てる捕手」の森だった。高卒1年目から一軍でも通用するほどの打力を誇り、外野手や指名打者で起用されることもあったが、チームは捕手として育てることに決める。そして今年、類(たぐい)まれな才能を発揮しているのだ。

 押し出されつつある格好の炭谷は、2017年の春季キャンプ前、こんな話をしていた。

「意識のなかで『対森』とかはないですよ。たとえば嶋(基宏/楽天)さんが移籍してきたとしても、僕は自分の課題を克服してマイナス面を減らすことと、プラス面をもっと伸ばすことをやっていけば、自然と自分のレベルは上がるわけですから」

 城島健司に憧れ、捕手として彼以来のフルイニング出場をずっと目標にする炭谷が、課題として真っ先に挙げたのが打撃面だ。高校通算48本塁打を放って「強打の捕手」の触れ込みで入団したものの、過去10年以上なかなか打てなかったバッターが、どうすればヒット数を増やすことができるのか。

「正直、わからないですよ」

 そう吐露した一方、2017年は「打率2割4分~5分を目指す」と宣言し、有言実行で.251を記録している。

 そして今季、打率.360――。

 あくまで出場8試合28打席時点の話だが、「打てる捕手」の成績を残しているのだ。

「今、感覚が合っていますよね。ボールの見え方と、その方向にバットが出ています」

 そう振り返った4月6日のオリックス戦では7回、無死三塁から相手先発の西勇輝が内角に投じたボールをライト前に技アリで弾き返した。

「今までだと、あの球はボテボテのゴロになっていたかもしれません。右方向に打とうとしたわけではないけど、『こういう球をこう打とう』という考えと、目で見たものと、タイミングの感覚が合っています」

 実は昨年から、炭谷の打力アップは担当記者やファンの間で「西武七不思議」のひとつだった。毎年打率2割ライン前後の「守りの捕手」は突然、なぜ打率を急上昇させているのか――。

 各社の記者が尋ねるたび、「シーズンが終わって、同じ成績が残っていたら話します」と質問をかわしてきた。ペナントレース終了後に聞かれると、「1年で終わっては意味がない」と言葉を濁す。守備について饒舌(じょうぜつ)に語る捕手は、打撃の話になると「聞かないでください」と貝になった。

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