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初対決の大谷も返り討ちか。ヤンキース田中将大の真っ直ぐにキレ戻る

4/27(金) 8:12配信

webスポルティーバ

「ゲーム前に立てたプランに沿ってしっかりと投球ができたし、1球1球しっかりと意味を持って投げられたことがよかった」

【写真】サニブラウンに100mで勝った野球選手の正体

 4月23日のツインズ戦で今シーズン3勝目(2敗、防御率4.97)を挙げたあと、ヤンキースの田中将大は手応えを感じさせる表情でそう語った。

 この日は6回3分の2を3安打1失点に抑え、マウンドを降りる際には地元ファンから盛大なスタンディングオベーションで迎えられた。直近の2戦では自責点の合計が11と結果が出ていなかっただけに、本人にとって、そして田中の安定した投球が必要なチームにとっても大きな勝利だった。

「直球がこれまでの登板の中で一番よかった。直球を意識させながらというところで、スライダー、スプリットが生きたんじゃないかなと思います」

 本人の言葉通り、真っ直ぐに勢いが戻ったことが好投の要因であることは間違いない。4月17日のマーリンズ戦で83球中17球だったフォーシームが、23日のツインズ戦では91球中26球まで増加。速球でカウントを稼ぎ、得意のスプリット、スライダーで相手打者を打ち取るパターンを確立していた。

 圧巻だったのは3回2死からの奪三振ショー。ツインズの2番ジョー・マウアー、3番ミゲル・サノー、4番エディ・ロザリオに対して、真っ直ぐを見せておき、最後は変化球で回をまたいでの3連続三振を奪った。相手打線の中軸を手玉に取る投球は実に見応えがあり、その小気味良いコンビネーションは、今シーズン初めて見せる好調時の田中らしい姿だった。

 普段の田中は、「真っ直ぐがよくなければ好投できない」という投手ではない。2017年を振り返っても、最初の14戦では速球系(フォーシーム&シンカー)を38%の割合で使い、防御率6.34と苦しんだ。

 すると6月23日(レンジャーズ戦、8回無失点)以降、速球系の割合を28%まで減らすことで活路を見出す。この適応が功を奏し、シーズン後半の21戦では11勝7敗、防御率3.09と数字を劇的に向上させている。

 自身の出来、相手の対応を吟味しながら、対応策を見つけていくのが背番号19の真骨頂。それゆえに、速球が好調ではない日でも抑えられる。この引き出しの多さは、“魔球“スプリットと並ぶ田中の最大の武器と言える。

 ただ、安定した投球をするだけでなく、いわゆる“支配的な内容“を望むのならば、上質な真っ直ぐはやはり必要なオプションだろう。ツインズ戦前には田中自身も「良くも悪くも(直球が)その登板を大きく左右する」と語り、速球の質を向上させることの重要性を述べていた。

 メジャー入り以降、最大の見せ場となった去年のプレーオフでは、第1ラウンドのインディアンスとの第3戦で、速球系を21.7%しか使わずに7回を零封。一方、ア・リーグ優勝決定シリーズ第5戦では速球系を33%に増やし、強打のアストロズ打線を7回無失点に封じ込めた。強力打線を相手に、このような短期間での切り替えができるのは、速球、変化球が共にハイレベルだからこそだ。

 そういった例を思い返すと、なおさら真っ直ぐに好調時の勢いがあったツインズ戦の投球は心強い。まだ去年のプレーオフのレベルではないにせよ、確実に田中はいい方向に踏み出している。今春のアメリカ東海岸は寒さが続いてきたが、この日は試合開始時点で13度と春らしい気温だったことも、大きく影響したに違いない。

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