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人種差別企業とネットで拡散したスターバックスの後悔

4/27(金) 6:15配信

JBpress

 「スターバックスは単にコーヒーを飲む場所ではないのです。出会いの場所でもあるのです」

 スターバックス(以下スタバ)の創業者ハワード・シュルツ氏は21年前、シアトル本社で筆者にそう語った。

■ フィラデルフィアの店舗で黒人客2人が逮捕

 創業当初から「出会いの場」を提供することがスタバの狙いであり、企業としての使命と捉えていた。だが4月12日、米東部フィラデルフィアにある店舗で、コーヒーを買わずに知人を待っていた黒人客2人が逮捕された。

 スタバが「出会いの場」であるのであれば、友人との待ち合わせに使っても問題ないはずである。

 知人が来る前、まだ何も買っていない時にトイレを使用したいとの申し出を店側が拒絶。口論となり、店が警察を呼んで逮捕された。

 黒人男性は事情聴取の後、すぐに釈放されたが、逮捕される現場を他の客が動画で撮っていた。すぐにネット上に拡散されて問題が表面化する。動画を観る限り、黒人客は無抵抗だった。

 スタバには人種差別との批判が殺到し、5月29日に全米にある約8000の直営店を閉鎖して従業員約17万5000人に対して研修を行うことを決めた。

 奇しくも、創業者であるシュルツ氏が今年3月末で経営最高責任者(CEO)から会長に退いた直後の事件だった。

 大事件と呼べるほどのことではないが、1人の従業員による判断によって企業は「人種差別をしている」とのレッテルを貼られる結果を招いてしまった。

 悪評が流布すると、顧客に忌避されて売上減につながりかねず、対策は真剣に取り組む必要がある。すべての企業が再考すべき課題でもある。

 ましてや日本でも、今後来日する外国人が大幅に増えると予想され、企業側は全従業員が共有する規範を作っておくべきかもしれない。

■ スタバの果たした功績

 独立店舗であれば、店長や責任者の判断によって対処することは十分に可能だが、スタバのように企業化された組織は共通規範を持つ必要がある。

 スタバはすでに全世界に2万7000店舗以上を展開するコーヒー業界の巨人だ。提供されるコーヒーへの嗜好は分かれるが、少なくともコーヒー業界に多くの貢献をしてきたことは間違いない。

 30年ほど前、米国で主に飲まれていたのは「黒いお湯」と揶揄された薄いコーヒーだった。

 1杯50セント(約50円)ほどで飲めたが、スタバは約3倍の値段で提供した。それでも着実に支持され、「米国人は薄いコーヒーが好き」という固定観念を覆して店舗は増え続ける。

 シュルツ氏がシアトルにあったコーヒー豆の卸し会社「スターバックス」を買収したのが1987年。当時から同氏は100年計画という長期展望を立てていた。

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最終更新:4/27(金) 6:15
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